長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その10
僕の隣のベットに座っている、オールバックの不良は包帯を巻いた右手を僕に突き出した。
「テメェの頭突きのせいで…骨にヒビが入っちまった」
「ご…ごめんなさ…」
謝りかけた僕の言葉を途中で遮り、オールバックは言葉を続けた。
「まぁ。拳の中にパチンコ玉を握り込んでたのが原因だけどな…」
「え?パチンコの玉?」
「そーだよ!!パチンコの玉やら十円硬貨やら、ジッポーやら握り込んだら、パンチ重くなっからよ!!」
訳が分からず左を振り返ると、硫介君は何だかニコニコしていた。
「つまり道徳の反則負けって事だ…」
緑髪男も口角を上げ、ニコリと笑うと、僕の頭をポンっと叩きオールバック男に顔を向けた。
「道徳。オメー何か言いてぇ事が有るんじゃ無ぇんか?」
話を振られたオールバック男は、顔を真っ赤にして正座になると、ベットに両手を付いて頭を下げた。
「すまねぇ…!!!!!
俺…お前にあんなに根性が有るなんて、思わなくてよ…馬鹿にしてた!!
ホントにすまん!!」
余りに唐突で率直な謝罪に、どう反応して良いか分からず、僕がキョドって居ると、硫介君が満面の笑みを浮かべ、僕の寝ているベットに腰掛けた。
「ミッチ〜…謝んのも良いけどさ、名前を名乗らなくちゃ友達にはなれないよ?」
「あ…そうだった。
俺は須藤道徳(スドウミチノリ)…道徳って呼んでくれ…/////」
「う…うん、じゃあ…道徳君…?
僕の事は勇輝って呼んでね…?//////」
「おい…二人して何、頬赤らめてんだよ……。
俺は鈴宮孝之(スズミヤタカユキ)だ……。
まぁ好きなように呼んでくれ…」
「…じゃあ…孝之君って呼ぶね?」
「アハハハ!!…残念!!
ター君、実は勇ちゃんには
『孝之…♪』
って呼ばれたかったんだろー!!
しかも二人とも君付けだしー。
俺の事は『硫介』でいいからねー?」
道徳君と孝之君の頭を順番に叩くと、硫介君は笑顔のまま僕に顔をズズイと近付いて来た…。
天真爛漫と言うか…。
何と言うか…自由過ぎだこの人…。
「じゃあ…硫介君で良いかな…?」
恐る恐る尋ねると、硫介君はベットに飛び乗り
「『君』を取れ〜〜〜!!」
と、言って僕の脇腹を叩いて来た…。
地味に痛いっすよ…硫介君…。
僕の上で幼児化して駄駄をこねる硫介君を、孝之君がヒョイっ、と持ち上げ道徳君と同時に言った。
「「俺達だって君付けは嫌だ!!」」
はいはい、分かりましたよ…じゃあ、三人共ニックネームで呼ばせて貰いますよ。
硫ちゃん
ター君
ミッチー
…これからも宜しくね♪
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