長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その31
――――――――――。
「その服なら勇ちゃんに上げるから、着て帰りなよ♪」
「はい!?!?…なんで!?」
あの後、自分の制服に着替えようと思って、硫ちゃんの部屋に行こう?と言った僕に、ニコニコしながら返事をする硫ちゃん。
頬にはお母さんの張り付けた、紅葉がクッキリ残っている。
「だって、それ俺が中学ん時に着てたヤツだから、もう丈が合わないんだよ〜。
勿体ないから貰って?」
なっ!!中学の時に着てた服の丈がもう合わなくなるとは………。
高校を卒業する頃には、硫ちゃんってひょっとしたら、身長180pとかになってるんじゃ………。
……くそぅ。
僕だって、毎日牛乳飲んでるのに…。
明日からは1日3杯飲もう…!!
…と、リビングのソファーで心の旅路に出ていた僕の目の前に、中身がパンパンに詰まった、かなり大きいスポーツバックを持った硫ちゃんが現れた。
「な…何これ?」
「だから俺が中学の時に着てた服。
ちゃんと着てね♪
勇ちゃんなら絶対似合うから!!」
「う…うん。
…ありがとう♪」
いきなり、こんなに沢山持って来るとは思わなかったから、ちょっとびっくりしたけど何か、友情の証しみたいで正直嬉しい♪
「今、母さんが夕飯作ってるから食べてってね?」
僕にスポーツバックを渡すと、ニッコリ微笑む硫ちゃん。
こんなに沢山洋服を貰った上、夕飯まで御馳走になるのは流石に厚かましいと思い、丁重に断わろうとしたがキッチンから顔を覗かせた、硫ちゃんのお母さんから、
「もう、勇ちゃんの分も作り始めてるから食べて行ってね?」
と、笑顔で言われ、夕飯を御馳走になる事を快諾した。
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