長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その28〜単車〜
そこには地元の方々らしき三人組が、硫ちゃんのバイクに跨ったりして、遊んでいる風景が広がっていたのです……嗚呼…。
硫ちゃんは物怖じする事無く、ツカツカと三人組に歩み寄ると、バイクに跨って居た男の首を後ろから捕まえて…………。
片手で持ち上げた…。
アナタドンナ腕力シテルンデスカ…?
「俺の単車に汚ねぇケツ乗せてんじゃねぇよ…」
そう言うと、硫ちゃんは持ち上げた男の身体がバイクを倒さ無いように、前方にポイ捨てした。
ドサッ!!
そして、ウ●コ座りで固まっている二人組の片割れの顔面に、ソフトクリームを投げつけるとバイクを飛び越え、ソフトクリームの上から両足で顔面を踏み付けた。
――グシャア…!!!!
「うごっ……!!」
そして硫ちゃんは、呆然とした表情で固まっている不良を睨み付け、口を開いた。
「テメーもソフトクリーム舐めてぇか…?」
「あ…いや…マジ勘弁して下さい…」
「はぁ?勘弁してやる義理とかねぇし…」
そう答えるや否や、硫ちゃんのソフトクリームが付着したブーツが、男の顎に激突し、
―――ゴチャ!!
と、嫌な音を残すと男はその場に昏倒した。
そして、硫ちゃんは先程ポイ捨てした男に向き直り話掛けた。
「テメー…まさか見逃して貰えるとか…思ってねぇよね…?」
言われた男は慌てて立ち上がり、自分の服の袖で硫ちゃんのバイクのシートを拭きながら、
「すんませんすんません」
と、繰り返した。
硫ちゃんはそれを完全に無視し、近くにあったママチャリを片手で高々と持ち上げ、シートを磨き続ける男に
「単車から離れろ…」
と、命令した。
命令通りバイクから飛び退く男…。
――瞬間、降り降ろされるママチャリ。
―――ガシャンッ!!!!
しかも、ママチャリ攻撃は男が倒れた後も、執拗に続いた。
……ヤバい!!
止めないと相手の人、本当に死んじゃう!!
僕は無我夢中で、硫ちゃんの前に飛び出した。
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