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長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その20

屋上に移動した僕は、奔城高校の各チームの勢力について、ター君の講義を受けた。

この学校で、一番大きな勢力は……

【神州連合】

頭の人の名前は、

神保忠臣(ジンボタダオミ)

神州連合は元々、神州會っていう小さいチームで、神保忠臣と能美州慈(ノウミシュウジ)の二人が結成したんだけど………。

この二年の間に様々なチームを潰して自分達の配下にしていったらしい。


それこそ狂った様に…。


僕達1―7は夜行會(ミッドナイトカーニバル)ってチームで頭は硫ちゃん。

夜行會は伝説的なチームで、数年前まで奔城高校をほぼ支配していた。

硫ちゃんのお兄さん、工藤俊介さんが頭だったんだけど、お兄さんのバイクに因る死亡事故をきっかけに解散してしまったらしい。

そこで硫ちゃんは神州連合の支配を覆す為、二代目夜行會を結成したらしい。


「まぁ…このポン高のチームの大半が神州連合の配下に入ってっから…。
二代目夜行會と工藤硫介は、神保忠臣にとって目障りな存在ってワケだ…」


「…ひょっとしたら僕達って、かなり分が悪かったりする…?」


「あぁ。人数的にはな…。
でも、ウチは各々小さいチームなら、頭を張れる様な連中の集まりだからな、簡単には殺られねぇよ…」


「でも…僕は…」

皆が僕を受け入れてくれても、僕は只の足手まといじゃないか…。

そう思って俯く僕に、ター君はあの優しい微笑みを見せて言ってくれた。

「なぁ。勇輝は俺や、硫や、道徳が喧嘩強ぇからダチになったんか?
自分を守ってくれそうだから利用してんのか?」


そ…そうじゃない!!絶対違う!!
僕は横にブンブンと頭を振って言った。

「ち、違うよ!!確かに僕を助けてくれるのは嬉しいけど……。
利用とかじゃないよ!!
僕だって皆が困っていれば助けたいし……!!
でも…足手まといになるかもだけど…」

そこまで言うと、ター君は僕の頭を優しく撫でてくれた。

「それなら良いじゃねぇか………。
さっきだって硫が馬鹿にされたから、二人組相手に突っ掛って行ったんだろ…?」


「見て、たんだ…?」


「あぁ…一部始終な…。
もしあそこで、ダチを馬鹿にされたお前が、イモ引いてたら……。
俺は助けなかっただろうな…」

ター君は煙草に火を点けて言葉を続けた。


「でもお前は引かなかった……。
とても勝てそうに無い状況でもな…。
ダチってなそういうモンだろ?結果じゃねぇんだよ……。
気合い入ってんじゃねぇか…お前にぴったりな名前だぜ?…勇輝…」

気が付くと僕はまた泣いていた。

何だかここ最近泣いてばっかりだ。

でも、母さんが付けてくれた名前に、僕の中身が少し追い付いた気がして嬉しかったんだ。


「…母さん……」


「お…俺はお前の母親じゃねーぞ!!!!」


「あ…違っ…!!」


―――ゴン!!


あんまり嬉しくて、うっかり母さんなんて呟いたら、顔を真っ赤にしたター君に頭を叩かれた…。

しかもグーで…もうちょっと加減してくれれば良いのに…。

でもやっぱりこーゆーのも友達同士って感じで楽しいな♪

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あきゅろす。
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