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長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その13

十朱は緩く握った小さな手から、ゆっくりと伝わる温もりを感じながら考えていた。


『「嫌いだ」って言われた時は本当に、心の底から焦った…思わず取り乱して、僕らしく無い台詞を口走っちゃったし…』


十朱はふと、自分の左側を見下ろした。

隣を歩く勇輝はと言うと、先程、十朱から巧い事一本取ったのが、余程嬉しかったのか、前を向いてニコニコしている。


『どうやら僕は、勇輝の身も心も全部欲しいみたいだ…』


「薫先輩?どーしたんですか…?」


「ん?勇輝を見てただけだよ♪」


「………//////」


視線に気が付いて、十朱の方を向いて尋ねた勇輝だったが、十朱にそう言われると、すぐに照れて正面を向いてしまった。


『フフ…やっぱり可愛いいな♪
早く鳴かせてみたいけど…心も身体も、ゆっくりと慣らして行かないとね…
……。
他の有象無象を相手にする時と同じじゃあ、駄目みたいだから。
強引に行ってまた「嫌いだ」何て言われたくないし。
覚悟しておいてね?
君は僕の心を奪った、初めての人なんだからさ♪』


十朱がそう考えながら歩いていると、二人はいつの間にか理事長室の前まで来ていた。

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あきゅろす。
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