長編メイン小説【もっとX2強くなれ!!】
その8〜面倒くさい人〜
一瞬だけ前髪の間から、かい間見えた勇輝の瞳…。
十朱は手に持った眼鏡を、頭上高く挙げたまま固まっている。
『ちょ…ちょっと待って…今、一瞬…超可愛く見えたんだけど…』
「眼鏡を返して下さい!!」
そう言いながら、片手で前髪を押さえて顔を隠す勇輝をよそに、十朱は呆然としながら言葉を続けた。
「あ、相沢君…?
ちょっとその手を退けて、前髪を上げてみて?」
「………………」
顔を押さえたまま、十朱の言葉を無視する勇輝に、十朱は取引きを持ち掛けた。
「じゃあ…相沢君が顔を見せてくれたら、この眼鏡を返してあげる♪」
「…っ…なんでそうなるんですか…!?」
「見たいから…?」
『あ〜も〜この人、面倒臭いぃ〜〜』
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