色彩バニッシュ(カゲプロ)



これはある少女が自分の事で苦しむ話だ。


気づけば何かが消えている。
物も人も記憶も存在も全て"無"になっている。

彼女はそんな世界が嫌いだった。
だから彼女は世界の色を消してしまった。


この赤い目で見ても忘れて消えてしまうならば消してしまおう。

それが一番の最善策だと思うから。
それが一番自分自身にいいと思うから。


"忘れちゃダメだよ"
"忘れないで"



誰かが囁く
真っ赤なマフラーの子が言う



「 なんで? 」


"あなた自身が消えてしまうから"
"ほら、あなたは誰?"



「 あたしは誰? 」


怖い怖い怖い
あたしが分からない。
曖昧で不安定でチグハグな記憶

毎日が嫌いで
毎日が怖い

自分自身が分からなくなってくるのが怖い



"思い出して"
"大切なことまで忘れないで"



「 忘れるって何を? 」


知っているはずでしょう?

赤い目をした小さい3人組の子供達を
二つに結った女子と優しそうな男子を
あの真っ赤なマフラーの持ち主を
真っ赤なマフラーの親友とも言える男子を
白衣を着ているあの男性を




「 ごめんね、 わからないんだ 」



消えてしまったものが多すぎて
消してしまったものが多すぎて


あたしの世界はほら、色を無くして消えてしまったんだ
チリっと掠めた蛇のような鋭い目つきをした真っ赤な目



目を消す話



「 自分自身の事がもう、わからないんだよ 」



vanish
"目に見えていたものが"消える・見えなくなる
"今まで存在していたものが"なくなる・消滅する.

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