短編小説 Fuse. まるで僕らは、氷の様な関係で。 一度固まったとしても、些細なことで崩れてしまいそうになる。 固まったと安心する暇なんてない。 いつ、どこで、僕らをの関係を溶かすものがいるか、分からないから。 例えそれが、小さなヒビであろうと。 そのヒビはやがて、僕らの関係を少しずつ、少しずつ蝕んでいくだろう。 傷付く前に、 溶ける前に、 僕らはその傷を、癒さなくてはならない。 ほんの些細な傷でさえ、壊れてしまう関係だから。 傷付けば、脆く、壊れやすい。 溶ければ、儚く、消え行く。 ああ、まるで僕らは 氷の様な関係だ。 Fuse. [*back][next#] [戻る] |