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キミのトナリ
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朔弥のお母さんが出掛けた後、昨夜の疲れと、いきなりの初対面に緊張してしまっていたようで、急にまた睡魔に襲われた。
朔弥に抱っこされて下に降りて、リビングのソファで横になったまでは覚えてるんだけど、そのまま寝ちゃったみたい。
心地好く耳に流れ込んで来たにぎやかな声と、食欲をそそる香ばしい香りに誘わて目が覚めた。
向かいのソファに座っていた朔弥と目が合ったのと同時に、タイミングよくお腹の虫がグーと鳴る。

「ハハハ!さすがに腹減ってるよな。」

朔弥に聞かれたのが恥ずかしいのと、珍しく声をあげて楽しそうに笑う姿にドキっとして顔が赤くなった。

「お前が来たからって、ほら。」

指をさされた方を見ると、庭でお母さんと妹さんが、焼き加減の言い合いをしながら2人楽しそうにお肉を焼いていた。
お母さんが帰って来てるって事は、今…何時?
慌ててキョロキョロと時計を探して、壁の時計で時間を確認すると、もう夕方。
僕、こんなに寝てたなんて!!
普段眠りが浅い自分からは考えられない。
しかも、自宅じゃないのに。
信じられない気持ちで、もう1度確認するように2人の様子を見ると、近くに置かれた台の上には山盛りに盛られている牛肉。
もしかして、これってバーベキュー?!
初めての体験に、なんだかワクワクしてしまう。

「つーか、いつも言ってるけど肉ばっかで野菜が1個もねぇじゃん!」

「えー!切るのメンドー。朔ちゃん切ってよ!」

「…ったく。どっちが親だよ。」

キッチンへ向かう不機嫌な朔弥を追いかけて、手伝うと言うと

「悪いな。」

柔らかく笑って、優しく頭を撫でてくれた。

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