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キミのトナリ
D
―柊 Side―

うわぁ!
どどどどうしよう!!
よりによってキスしてる所を見られちゃうなんて…。
朔弥のお母さんになら、まず真っ先に挨拶しなきゃダメだよね!!
でも、…僕たちの事知っているのに、ちっとも怒ってる感じじゃない。
普通男同士の僕達が付き合ってるなんて、簡単に受け入れてもらえる事じゃないのに。

覚悟はしてたんだ。
うちはともかく、僕たちの関係は朔弥の家族からしたら決して良く思われないハズで。
きっと責められたり、別れなさいって言われるんだろうなって。
だから、そんな日が1日でも遅く来るように、僕は朔弥と付き合ってる事を隠さなきゃと思っていたし、なるべくなら家族の人にも会わない方がいいと思ってたんだけど…。

「柊ちゃん、今日は泊まって行ってね!ママはちょっとお仕事行って来るから〜!夕方には帰ってくるわぁ!!」

あれれ???
何だか考えてたのと全然違って…。

「朔ちゃん、ちゃんと柊ちゃんを休ませてあげなさいよ!」

「…んな事分かってるよ。」

「じゃあね〜!」

ヒラヒラと楽しげに手を振り、鼻歌を歌いながら朔弥のお母さんは僕たちの前から去って行ってしまった。

「悪いな。妹といい、母親といい騒がしくて。驚いただろ?」

「うっうん…。」

妹って…さっきの制服姿の綺麗な女の子の事かな?
そういえば、ビックリし過ぎて妹さんにもちゃんと挨拶出来てないや。
嫌われてないと良いんだけど…。
妹さんもお母さんもとっても綺麗だったなぁ。
妹さんは、黒髪で背中まで真っ直ぐ伸びた髪がとても綺麗で不思議な雰囲気があって、お人形みたいだったなぁ。
反対にお母さんは、肩ぐらいまでのブラウンの髪がクルクルってなってて、何だかお姫様みたいな人だった。
朔弥と3人で並んでも、兄弟みたいに見えるぐらいお母さんは若くて、すごくキラキラしていた。
まだ会っていないお兄さんも、きっと朔弥みたいにカッコイイ人なのかな?と勝手に頭の中で想像してみた。

「でも…嬉しかった。」

そう言うと、朔弥がフッと優しく笑ってくれてる。
その笑顔にキュンとしながらも、僕を歓迎してくれた朔弥の家族に、感謝の気持ちでいっぱいだった。



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あきゅろす。
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