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その他小説
29


 そんな俺達の関係が急展開を見せたのは、3月になったばかりの頃。


「いい加減にしろよ、輝。
 いつまでままごと遊び続ける気なんだよ?」


 竜之介のこの一言からだった。


「はぁ……?テメェ、一体どういう意味だ?!」


 流石にそんな風に馬鹿にされたら、俺様だってけんか腰にもなる。

 対する竜之介はつくづく呆れたとばかりの表情で。


「お前なぁ……。
 俺達が折角お膳立てしてやったのに、何でバレンタインに告らなかった??
 中坊じゃねぇんだから、いつまでも片思いで満足してるんじゃねーよ」

「ちょ、ちょっと待て。
 尚人にしょうもない噂流したのはお前か!?」

「俺はなおちゃんとは直接面識ないからな?
 代わりに酒田に言わせたに決まってるだろう?」


 悪びれもなくそう告げた竜之介の態度に、俺様は二の句が継げなかった。


「あのなぁ…っ、お前の気持ちなんてとっくの昔にみんな知ってるぞ??
 気付いてないと思ってるのは、お前と例のなおちゃんだけだろ??」

「………」

「ったく、無駄に周りを振り回してるんじゃねーっつうの。
 お前の片思い姿も見飽きたし、そろそろケリつけねぇとお前らの温い関係ぶっ壊すぞ?」

「なっ、ふざけんな…っ。
 誰とどうなろうが俺様の勝手だろう!?」

「お前自分の立場わかってるのか??
 情けない総長の姿なんか、いつまでも晒してる訳に行かねぇんだよ。
 ここらでいい加減腹括ってもらわねぇとな……」


 そこまで言った後、竜之介は軽く思案して。


「決めた、タイムリミットはホワイトデーだ。
 それまでにまとまらなかった時は、護衛役の酒田達も引き上げさせるからな?
 ついでにお前の大事ななおちゃんは、俺自ら動いて潰すから覚悟しろ??」

「はぁ!?そんな事させるかよ!!」

「それが嫌なら、強姦してでも自分の物にしやがれ。
 まだソッチの方が何倍も男らしいだろ??」


 俺はお前と違って、やると言ったらやる男だぜ?

 そう言ってニヤリと笑った竜之介は、幼馴染の俺様の目から見ても冗談で言っている様には見えなかった──。



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