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再び演劇(オールキャラ)
ナム孤島ですね。まだ未プレイですけどw





「また僕たちが演劇?」

「前の演劇が好評だったんだとよ。そんで」

「…めんどくさい」



カロルとユーリ、2人の会話に口を挟むユナリア。



「おい、ユナリア。お前話の邪魔すんなよな」

「だって、絶対あたしたちにやれって言うんでしょ」



ユナリアの言うことはもっともだが、話を聞くくらい出来ないのだろうか。ユーリは呆れたようにため息をついた。



「まだ何も言ってないだろ」

「いーや、もう言いそうな感じ」

「ユナリア…い、いい経験になりそうだし、将来に役に立つかもよ?」

「あんたに将来を語られたくないわね」

「リタ…!」



ユナリアを説得しているカロルに、リタがやって来て言った。



「あたしもやらないわよ」

「台本読んでみろよ。気が変わるかもしんねーぞ」

「なんで…」



リタは溜息をつきながら台本を手に取った。



「読んでみれば気が変わる…?」



リタは台本を見るとゆっくりと口を開いた。



「−この城には無数の魔法のトラップがある。勇者もこれなら近付けない。姫を手にした今、この国は私達のものになる!あーっははははははは!」

「…こわっ」

「う、うっさいガキんちょ!」



嫌々言った割にすごく感情が籠もっているのは気のせいだろうか、と今誰もが思ったはずだ。



「よりによって魔女んとこ読むしなぁ…」

「ぐ、偶然よっ」

「配役はどうなの?」

「おっさんには楽なのでお願いね」



リタの笑い声(怖い)を聞いてジュディスとレイヴンがやってきた。



「配役は…と。魔王1人、魔女1人、姫1人、勇者1人、ナレーター1人、雑魚2人」



配役はラピード以外はぴったりあった。前回より配役が増えているが、あの狭い舞台でこんなに大人数立てるだろうか。



「とりあえず配役ね。エステル呼んで来ましょ」










「演劇ですか?素敵ですね」

「それで、今から配役を決めるの」

「わたし、ユーリとまた戦いたい(フリだけど)です!」



エステルは突然、ユーリに勇者をやって欲しい、と言い出した。
ユーリは目を丸めた。



「いや、エステルが勇者やればいいんじゃねーの?」

「それじゃあダメです!わたしは前に勇者役はやりましたから」

「そーか…」



ユーリは溜息をつくと、仕方ないな、と苦笑しながら言った。内心納得していないのだが。
ユーリには勇者なんか似合わない、とリタはユナリアに耳打ちする。



「じゃあ、姫役はユナリアね」

「は?」



突然自分に向けられた視線に、ユナリアは声を漏らした。



「だって、勇者がユーリだしねぇ」

「そうね。勇者はどうかと思うけど、おてんばなお姫様、なかなかいいじゃない」

「あ、あたしはやらないよ…?」

「配役はぴったりなんだから、やらなきゃダメよ、ユナリア」

「…う…」



皆のにやりとした、生暖かい雰囲気にユナリアは俯いた。断れる雰囲気ではない。というか、恐らく流れで決められる。



「魔女はリタだね」

「な、なんであたしがっ…」



皆がリタを見る。リタはかなり慌てていた。悪役を演じるのが嫌なのだろうが、先程の演技を見ると、どう考えてもこの役が似合うのはリタしかいないと言える。



「いいんじゃないかしら。あなたに雑魚役は似合わないし、ね」

「う…」



他にいい役がない(というか最初からやる気がない)らしく、リタは下を向いて唸っていた。



「次、ナレーターは…」

「私がやるわ」

「ジュディスらしぃね」

「ふふ、ありがとう。私、こういうの得意なの」



どうせあなたたちがまともに劇をやるとは思えないし、そう続けたジュディスはある意味正しいと言える。前回の演劇も、ユーリとリタは台本どおりにやっていないわけで。



「エステルはどうするの?雑魚か魔王しか残っていないけれど」

「わたし魔王はちょっと…」



確かに、こんなに可愛らしいお姫様が魔王なんてできるはずがない。



「じゃ、エステルとカロルは雑魚でいいかな」

「はいっ」

「ええー!?ボクまた雑魚なの!?」



カロルが抗議の声を上げる。魔王にでもなりたいというのだろうか。



「ガキんちょに魔王が似合うと思う?」

「…」

「でも、こんなのしか残ってないよ」



ユナリアの視線の先にはやる気無さそうに余所を向いているレイヴン。



「こんなのはないよ、ユナリアちゃん…。てかなんでおっさんがこんな大役!?楽なのって言ったよね!?」

「じゃ、あたしと代わる?」

「ユナリア、おっさんの姫なんて、キモいだけだぞ」



ユーリが笑いながら言うと、ユナリアはそれもそうだね、と頷きながら言った。



「青年、ひどい…って、おっさん姫になっても全然意味ないし!」



確かに、大役を嫌がるレイヴンにはどっちも変わりはない。それにレイヴンが姫役をやってしまえば、観客から冷ややかな目で見られること間違い無しだ。



「もういいでしょ、おっさん。魔王役頑張ってよ。みんな、練習しよ」

「結局おっさんがやるのね…ま、ユナリアちゃんならいいけど」



外に練習に行くユナリア達の背中を見つめながら、レイヴンはそっと呟いた。



「おっさん」

「!?……青年、いたの!?」

「いたさ。ユナリアに変な事したら、オレ何するか分かんないんで。そこんとこよろしくな」



ユーリはレイヴンに冷たい笑顔で言うと、皆に続き外へ出た。



「ったく…ユナリアちゃん愛されてるねぇ」





2に続く

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あきゅろす。
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