立海大
騙せないものがある/仁王雅治
俺の幼なじみは柳生が好きじゃ
好きじゃから、ずっと見てたけん分かる
そして柳生もそいつの事が好き
パートナーの気持ちなんか
お見通しじゃ
両思い、じゃな…
でもそれは変えられんこと
どうしようもないこと
この俺が失恋なんて情けないのう
でも俺は黙って見とく男やないき
だから詐欺師の俺は柳生に成り済まし、君に会いに行く
最後…じゃから。
「紗良さん」
『…!! どうしたの?』
君は一瞬驚いた顔をしてから、笑顔を向けた
この笑顔が大好きじゃのに
今は辛くて仕方ない
「ずっと好きでした」
そう言い、紗良に抱き着く
紗良の心地好い匂いがこれで最後じゃと思うと
胸が苦しくなる
俺が最後を惜しんでたら
君は、耳元でこう囁いた
『私も好きだよ・・・雅治』
「・・・!?///」
騙せないものがある
(何で気付いたんじゃ?)
(ずっと見てたから分かるよ)
(君が好きだから…)
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