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Brother of a friend

俺には双子の弟がいる。弟は明るい性格の俺に対し、おとなしい性格だった弟は虐めにあっていた。そんな光景を俺は見て見ぬ振りをしていた。もし、弟を庇ってしまえば今度は俺が虐られる、そう思ったからだ。

中学生になり、弟への虐めはさらにエスカレートしていった。顔や腕には無数の痣や傷が痛々しい程にくっきりとできていた。この頃にはもう兄弟の仲に溝ができてしまい、会話すらなくなった。

中3のある日、友人の弟に初見でいきなり「最低な奴」と言われて腹が立った。理解不能ですの態度をとると、友人の弟は一睨みしてその場を立ち去っていった。

わけわかんねぇ…

友人の弟に言われたことが妙に気になって、数日後、何故俺が最低な奴なのかを聞きに、友人の弟が良く居るという小等部と中等部の間にある庭園へ向かった。

本当に居んのかよ…?

奥まで進むと俺と良く似た顔をした弟と、楽しそうにベンチで喋っている処を見つけた。
いつぶりだろうか…弟があんなに楽しそうに笑っている姿を見たのは。

これを見て友人の弟が言った意味が分かった気がした。

俺は自分のことばかりで、弟のことなんかこれっぽっちも考えたことはなかった。悪いのは周りの奴等ではなく、気づかぬふりをして弟を傷つけた俺……


「ここに何のようなんですか?」

俺に気がついた友人の弟が眉間んにシワを寄せこちらを睨んでいる。

「俺の弟に謝りたくて…」

まさかの言葉に二人は驚いた表情をしている。
今更謝ったって許してくれるとは思っていない。
けれど、やっぱり俺のしてきたことは弟には申し訳ないことをしたから。

「…謝らなくていいんだよ。俺はどんな目にあっても、兄貴には常に笑顔で居て欲しいんだ。」

だから笑ってと言う弟の笑顔に涙が零れた。
弟は俺が憎いと勝手に思い込んでいたが、違った。それに安堵して涙が止まらない。

「俺はね、辛いこと悲しいことがあっても、兄貴と笑いあえるのなら、幸せなんだよ。」

だから泣かないで。と困った顔をして言う弟にしがみついて、久しぶりに声をあげて泣いた。

「良かったですね、先輩。仲直り出来て。」

「うん、ありがとうね。」

「いえ、俺はこれで失礼します。兄弟仲良く中等部へ戻ってください。」

気を使った友人の弟は小等部へ戻って行った。そして俺たちは、今まで空いていた兄弟の仲を埋めるかのように語り明かした。






それから一週間が経った。


「よう、此間はサンキューな。」
偶然すれちがった友人の弟にあの時のことの礼をする。

「俺は何もしてませんよ。先輩達が解決したみたいなもんですから。」

話すのが面倒だと言わんばかりの顔をして答える。この顔があまりにも友人に似ているので、むしょうに腹が立つ。

「へいへい、そうですか。」

「呼び止めた用はそれだけですか?」

しかも、可愛くない。

「悪いかよ。」

「はい。」

「ちぇっ、可愛くねぇー」

「可愛くなくて結構です。」

何故か俺に対してだけ感じ悪いし。
俺の弟の時の態度とは大違いだよ、本当。

「ま、でもお前のあのキツイ一言がなけりゃ、弟とはあのままだったと思うから感謝してるよ。ありがとう。」

頭を撫でて微笑みかけると照れた表情を隠し、下を向いて黙っている。そんな姿があまりにも可愛くて、文句を言われながらも頭を撫で続けた。




I fell in love with you it is not pretty straightforward.
素直で可愛くない君に恋をした。




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