永き夢路への扉
第34話 神裁者
「…なんでそう思うんだ?」
ハワードは彼女に聞く。もう足を洗ってから10年以上になる。それに、疾風の舞姫とは一度しか顔を会わせたことがない。
しかし、彼女は平然としてこう言った
「殺気だ」
「…は?」
「あの完璧な気配の消し方、そしてあのゾクゾクする殺気。あの時と変わっていない」
彼女は嬉しそうに話す。
「それは嬉しい褒め言葉だな。…で?何でこんなところにいるんだ?」
「実はな、ある一族の生き残りがいると聞いたんだ。」
彼女はクレーターから抜けだしこちらに近付きながら答えた
「生き残り?」
「ああ。18のガキだそうだ。」
…まさか、な
「で、そのガキを殺すのか?」
「いや、拉致ってこいと言われただけだ。」
彼女はハワードの問いに疑うことなく話す
「だったら疾風の舞姫は要らないんじゃないのか?」
ハワードは少し含み笑いしながら言う
「私もそう思ったんだが…人選は間違っていなかったようだ」
そういって彼女は剣をハワードに向けた
「まさか生きているとは思っていなかったぞ?神裁者 ハワード=ルヴァイン」
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