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番外編

奏汰手作りのアップルパイと、ほんのり甘いミルクティーを堪能している国光。
ゆったり、とした時間が流れる。

「………」
「………」

2人は会話を交わす事なく、お茶と本に夢中。
この時間が、とても好きだった。
誰にも邪魔される事もなく、好きな本が読める。
パラ…、とページをめくる音だけが聞こえる。

「………」

次から次へ、と本を読みながら飲む物だから、あっと云う間に、ミルクティーは空になる。

「ありゃ…無くなっちゃった」
「ん?」
「新しいの、淹れてくる」

国光の足に抱きつきながら本を読んでいた奏汰は、空のティーポットを手に、キッチンへと向かった。

「……」

本格的な物を淹れたがる奏汰。
戻って来るのに時間が掛かる事を予想出来た国光は、続きを読む事を決め、再び、本へ視線を落とした。



◇◆◇◆◇



「2人ともそんな体制で本、読めるのかい?(--;)」

仕事を終えた海音が帰宅。
2人の姿を見た海音は唖然。
その姿とは、国光の右肩に顎を乗せ、一緒になって、一冊の本を読んでいる―…2人の姿であった。
後ろから見れば、奏汰が抱きついている様に見えた。

「う?」
「?」

状況を判っていない2人に、海音は溜息を吐いた。

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