Wonderful days 静かなる怒りと落雷 「あ、え……と…」 困惑気味の表情を見せた隆を余所に、国光は、 「話は終わった」 それだけを告げると、踵を翻す。 「ちょっと待て!手塚!!話は終わってない」 国光の右腕を掴んだ瞬間、鋭い眼差しと共に、 「大石。お前が奏汰の何を知っている?」 「え?」 「奏汰の全てを知らないのに、知ったような口振りで云うな…!」 不機嫌丸出しで放たれた国光の言葉に、秀一郎は固まった。 捕まれた腕を振り解くと、スタスタ、と何もなかったかの様に歩き出す。 「どうなっても知らないぞ…!!」 秀一郎の言葉を聞かないフリをして、歩く。 国光も、皆が賛成してくれる、なんて思ってはいない。 青学だけの合宿なら、『他校生だから』と云う理由で反対するのは当然だが、今回の合宿は他校入り乱れての合宿。 それなのに、『他校生だから』と云うだけで反対するのは気に入らない。 「ハーチミーツくーん?」 「……」 「おーい…」 国光の思考を占めるのは、静かなる怒り。 奏汰の声は届かない。 奏汰は暫く考えたのち、 「今日のは青のタータンチェック。上下ともお揃い。ハチミツくん、見る?」 「奏汰!!」 「ふぇーん(ノД<。)ハチミツくんを和ませようとしただけなのにぃ」 国光のやり場のない怒りが、落雷となって、奏汰に落ちました。 [*前へ][次へ#] [戻る] |