Wonderful days 奏汰の疑惑 「随分と機嫌悪いぞ(--;)何か合った?」 ベンチに座る国光に声を掛けるが、国光は答えない。 「どうせ、兄上に何か云われたんだろ?」 「………」 国光は、何も語らない。 しかし、討論相手は奏汰である。 雪斗から何を云われたのか、簡単に予想出来る可能性があった。 「……」 「黙り、か。じゃあ、そこにいる、小石くんに聞く事にしよう」 隆と共に、遅ればせながら、テニスコートに姿を見せた秀一郎を視野に入れた奏汰は、国光に聞くのを止めた。 「奏汰!!余計な事をする―…」 「ボク絡みなんだろ?ハチミツくん。君は、ボクが絡むと人格が変わるからね。部長として、冷静な判断が出来たとは思えないのだよ」 国光の読み取り辛い表情を覗き見る。 国光はジッ、と見つめて来る奏汰の視線から、顔を反らす。 その何気ない行動に、ム、と表情を露わにすると、 「おーい!!こーいっしくーん!!」 思い切り手を振る。 「え!!俺!!Σ( ̄□ ̄;)」 国光と云い合いをした手前、顔を合わせ辛い秀一郎は、ギョ、とした表情を向ける。 「聞きたい事があるのだよ(^^)」 ニコリ、と、笑う奏汰と、不機嫌なままの国光の視線を一身に浴びる秀一郎。 [ひ…、人身御供になった気分だ] そう感じた瞬間だった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |