SHRが始まると珍しくドミが現れた。

 いつもは副担任がやるような朝の仕事をして、最後に1枚のプリントが配られた。



「学年通信ができたから、来月の行事予定含めちゃんと確認しとけよー」



 月末に配られる翌月の予定表みたいなもの。

 中間試験が終わって次の大きな行事といえば、文化祭だ。

 あとは模試があるくらいで、忙しさで言えば今月と変わらないくらいかな。



 そんなふうに考えながら視線を下に滑らせていくと彩子の写真が目に留まった。

 このあいだの試合の結果とともに、彩子が結構活躍したときの写真が掲載されていた。

 それと、載せなくてもいいのに、わざわざたくさんある写真のなかから選んで載せたような写真がもう1枚並んでいた。



「ブッサイク……」



 「彩子さんを応援するクラブメイトのみんな」とタイトルをつけられた3年の数人。

 その中央にあたしが口を半開きにしていた。



 テニス部関連の記事は切り離して捨ててしまいたかった。

 何でこんな変な顔をみんなに見られなくちゃいけないのか。

 彩子はこんなに格好良く写っていて、スタイルもいいからしばらく眺めていたくなる被写体になっているのに。

 それに引き換えこのあたしの無様な顔。

 他の人からしてみれば大したことじゃないらしく、さっそく学年通信の紙を紙飛行機にして飛ばしている男子生徒がいた。

 けれど、あたしにとっては自分の顔なのだから重要なことで。



 お昼になっても憂鬱な気持ちは変わらなかった。



 たかが学年通信、と思いたくてもみんなの手元にはあの紙があると思うと気持ちを切り替えられなくて。

 自販機に行く途中、階段の近くで出くわしたドミに嫌な笑みをされて、嫌な気分に急降下。

(*)backgo(#)

木春菊

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