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ドミは職員室へ戻るところのようだった。
「俺としてはクラスが爆笑になるはずだったんだけどな」
「はぁ?」
ドミは、学年通信と短く答えた。
あたしはピンと来て呆れた顔を返す。
「もしかしてあの写真選んだの土見先生ですか」
はっはっは、ドミは盛大に笑い声をあげた。
あたしはここ最近ドミに振り回されている気がする。
それまでは普通に話をするしあたしにとって唯一といっていいくらいの仲がいい人かな、っていう先生だけど。
今は半笑いする気さえ起らない。
「あんな写真必要なくないですか。彩子の写真だけで十分だと思いますよ」
「ところで文化祭の準備どうなってるよ」
また話をそらされた。
イラッと来て「知りません!」と声を大きくすると、そこに軽快な笑いをしながら教頭先生が現れた。
元気でいいですねー、と間延びした口調をして職員室へと消える。
するとつんつんした場の雰囲気が少し和らいでしまって、あたしの勢いがあった口調も何処かへ消えてしまった。
ここは職員室のなかから丸見えな場所なわけで、何となく、向こうから見られているんじゃないかと気にもなってしまい、あたしは少し落ち着こうと息を大きく吐いた。
まあつんつんした雰囲気といっても、ドミはそんなのお構いなしなわけで嫌な笑い方は健在だ。
「飯屋だから今は準備すること少ねぇだろうけどよ。買い出しがあったら車は出せるから用があったら言えよ」
な、とドミはあたしの顔を覗き込むように言う。
けどあたしは朝からいろんな負の気持ちがあるわけで、クラス展に参加している身にもかかわらず「知りません」と突き返す。
「何だよそれ」とドミはその笑顔に少し呆れた色を見せた。
あたしは口をつぐんでその場をあとにした。
(*)backgo(#)
木春菊
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