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Andante
出だしは順調?3


「すげぇじゃん氷柳、運動神経いいのな!」


チラホラと周りの生徒が教室に戻る中、森君は息を乱しながらニカリと笑った。


「随分仲いいみたいだけど野球部?」

「ちげぇよ。サッカー部」


慧がぽふぽふと俺の頭をたたく。
感心したように笑う2人に照れくさくなったけど、嬉しさは隠しきれず、俺も思わず目を細めた。

15分という短時間で行われた試合。
慧とのコンビネーションで見事食らいつくことができた。
俺も経験の少ない競技に戸惑いはあったが粘り強くプレーできた気がする。
結果的にはサービスブレイクされてしまったがスコアを見れば45‐60と惜敗だ。
何時の間にか見物客も増えていたからなかなかの名勝負だったのではないかと思う。


「お疲れ〜氷柳。
格好良かったぞ、さっきの試合」

「あっありがとう」


試合を見物していたらしい人がバシバシ肩を叩いてくる。
彼はニッと人の良さそうな顔で笑って見せたが早々にその場を離れてしまった。
他の人達も一言言い残しては足早に去っていく。
どうした?と思ったが、隣で会話する2人に視線を戻すと納得できた。


「一緒に飯食おうぜ藤堂」

「お前は食堂派だろうが……」


森君と会話をしながら俺達を囲む人だかりを凶悪な顔で睨む慧。
朗らかに笑う森君とはかなり温度差がある。

目線で俺から離れるなよと告げてくる慧に俺は気恥ずかしさで目を逸らした。



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あきゅろす。
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