novel 雨による隔たり1 ・いろんなキャラがちょいちょい出てくるシリーズものです。 ・ギャグテイスト。 ・英仏話。 @ 長ったらしい会議がようやく終わり、フランシスは自宅のソファに、湯上がりの身体を沈める。 (寝酒でもして休もう。) ワインを取りに台所へ向かうと、ベッドサイドの電話が鳴った。 「ボンソワール。…なんだよ坊ちゃんか。こんな夜更けに何の用?」 「ははッ!聞いて驚け。ついに究極のスコーンの制作に成功したんだぜ!今度こそてめぇにくわしてやr」 問答無用で受話器を叩きつけた。 ガチャン!!!! 嫌な予感…というか嫌なことしか伝えないことなんかわかってる。 RRRRR!!!けたたましく鳴る電話を仕方なく取る。 「ゴルァァァァクソヒゲぇ!!!てめっ話の最中でぶったぎるんじゃねぇよ!!!」 「あのさぁ…お前の料理はもはや食材に対する凌辱だからね!!!」 「Σ失礼な奴だな。ま、そんな訳だから、明日俺んちまで来いよな!!!これは我が大英帝国が…………」 (まぁた始まったよ…) 勝手に喋り続けるのを適当に受け流し、ワインを一杯あおる。 何気なくテレビを見遣ると、天気予報がやっていた。 明日から一週間ずっと雨らしい。 「えー明日から雨じゃん。おにーさんの美髪がうねっちゃうからパ・ス☆それにEU会議がやっとさっき終わったとこなの!!明日はゆっくり休むからまた今後ね〜。」 嫌がらせにチュッとリップ音を送って受話器を置いた。 どうせケータイの方に何十通とメールや不在着信が入るだろうからもちろん電源オフだ。 ほんと面倒くさいよな、あいつ……… あぁ、ちょうどいい感じに酔いが巡ってきたみたい。 深紅のシーツに包まれてまどろみ、そのまま眠りについた。 [*前へ][次へ#] |