novel
※雨による隔たり4
※性描写有閲覧注意
C
「ちっくしょおおお!!!
あンのばか!!!こねぇならこっちから乗り込んでやる!!!」
取り巻いていた弟分たちが蜘蛛の子を散らすようにいなくなってから妖精相手にずっとくだを巻いていたアーサーは、お手製スコーンを引っつかむと、降りしきる雨の中を傘を差さずに深夜、ユーロスターまで走り出した。
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
雨の雫を滴らせて格好良くあいつの前に登場する俺。
「会いにきてやったぜマイハニー☆」
「アーサーッ?!嘘、俺のために来てくれたの?
しかもこの雨の中を傘も差さずに?」
「俺は紳士だからな☆」
「やだ、アーサーったら男らしいッ(きゅん)
スコーンもおいしい
もう俺抱かれてもいい!!!」
と、まあこうなる訳だ。
なんて完璧なシナリオなんだ!!!!
べはははは!!!!!!!!!!!
≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡
ふと気がつけば、フランシスが俺をのぞきこんでいる。
「うわああ!!!なななんでいんだおまえええ!!!」
見渡すと、俺はフランシスの家のリビングのソファに倒れていて、頭をバスタオルで拭かれているところだった。
「なんでって…全く…何かドアにぶつかる音がして見に行ってみれば…すぶぬれで転がってるからびっくりしたよ。…ほら拭いた拭いた。」
がしがしと俺の髪を拭いてくれるその手が気持ち良くて、しばらくなすがままになっていた。
「ちょっと待ってろ。換えの服持ってきてやるから。」
といって離れようとする手首を掴んで引き寄せ不意打ちのキスをしてやった。
「!? んむッ………」
青の瞳が見開かれるのを眺めて、そっと腰に腕を回して抱きしめる。
舌を絡め、歯列をなぞり、口内の酸素を奪うほどに口づけて離すと二人の間は透明な糸で繋がった。
「ッふ、は…」
「ずっと待ってたのになんですっぽかすんだよばかぁ!スコーンも濡れちまっただろーが!」
苛立ちまぎれに、白い首筋に噛み付く。
「ッ…だって…髪が」
「俺が呼んだら何を差し置いてもくるんだよ。」
「あのねぇ!!お前の前では常にいい格好でいたいって気持ちわかんないの?」
「俺の前じゃいつもイイ痴態(かっこ)じゃねぇか」
「…バカッ///意味がちが……うぁあッは、」
耳朶を甘噛みし、首筋に舌を這わせながら、ゆっくりと床に押し倒せば、湯上がりのせいか、火照った顔がより欲情的な気分にさせる。
…くっそ、なんて可愛いんだ俺のフランシス!!!
荒々しく唇を貪ると同時にズボンを下着ごと一息に脱がせてフランシス自身を握ってやれば、次第にとろんとした表情になった。
全く欲情に忠実なんだな、この淫乱め。
「んッ…ちょ、っとまって」
涙目になってイヤイヤと頭をふるフランシス。
ばかだな、そんな仕種、煽る効果しかねぇぞ?
「お、こんなとこにちょうどいいもんが。」
アントーニョが持ってきたオリーブオイルをみつけると、フランシスの菊門に揉みこむように解していく。
「ひ、ゃ…め、アーサー、これ以上はッ…あいつら起きちゃうッ…」
「あ゙ぁ゙?てめぇ俺んちこねぇで他の奴引き入れてたのか?」
「ちがうもん、あいつらが勝手にやってきたんだもん!」
むかつく。なんでこいつは思い通りにならねぇんだ。
苛立ち紛れで一息に根元まで突き入れてやった。
「ひッ……んんうッ!!!」
かろうじて手で口を押さえて嬌声を飲み込んだらしい。
どうせ無駄なんだけどな。快楽の誘惑に弱いお前の理性がどこまで堪えられるか見ものだぜ。
翌朝。
「よぉ。フラン。昨日はお楽しみだったみたいだな☆ケセッ☆」
「ちょおーなんなん?昨日はあいつこおへんってゆうてたやん。」
「あんあんうるせーんだよ!このケ、バッレ!」
「フランシス兄ちゃん…俺ならもっと優しく抱いてあげれるよ?ちゃんとベッドの上で。」
「…?!///なんだと?奴が来てたのか?いつの間に…」
「…もーいいから今はひとりにしてくれないかな…」
切実にゆっくりと休める休日が欲しいと願うフランシスであった。
【終われ!】
お付き合いくださりありがとうございました!
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