ぶくぶく
私の名前は、はる!春に生まれたからはる!なんて単純なネーミングセンス!
でも私は自分で言うのも何だけど、この名前がお気に入り!
響きも良いし、なんだか柔らかい感じがする。それよりなにより、この名前は5年前に不慮の事故で死んでしまった父さんが付けてくれた名前だから。
「はる」
「はる」
父さんはいつも優しい声で私を呼んでくれた。
いつもニコニコしていて優しい父さん。父さんが亡くなった日は凄く泣いたし、怒ったし、悔しくて悔しくて堪らなかった。
でも、今はもう大丈夫。私はもう泣かない。天国の父さんが心配しないように立派に生きていくって決めたんだ。
ザアっと優しい春風が私の髪をさわさわと撫でていく
『あったかい…』
風に遊ばれている髪を耳にかけて私はゆっくりと歩きだす
今日から私は大学生になるのです
それも父さんが学生時代に通っていた大学で
父さん
どうか天国から見守っていてね!
『がんばるぞ!』
ぐっと気合い入れてガッツポーズを決めた!
その時
ドンッ
「あ、すいません!」
走ってきた誰かが私に勢いよくぶつかった
『え?』
ぐらりと体制を崩した私の体はおっとっとっとと、前に進んでいく
うわ!
ちょっと!とっ止まれない!
目の前には立派な噴水が
私の体は抗う統べもなく噴水に飲み込まれていったのでした
『初日から水難〜!!!』
ぶくぶく
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