[携帯モード] [URL送信]

main storyT
〜そして助手は苦笑い〜 26

 『どうしよ』も何もあるものか。
 雰囲気のみならず、高揚した気分までぶち壊されて、我が輩にどうしろというのだ。


「………」

 何も言わずヤコの上から退いてやると、ヤコは慌ててアカネのデスクに向かう。
 いつの間にか我が輩が全ての釦を外していた為、片方の肩がはだけ剥き出しの状態のまま、シャツの前を手で握りしめている。ひどくあられもない格好だが、悪くはない。

 悪くはないが……もうどうにもならん。


 アカネが壁紙から出てきていた。怒ったような異様な動きを見せている。
 やはり、聞いていたのか……



「はいっ!お待たせしました!
 …どうしたんですか?笹塚さん」

 相手は案の定、笹塚刑事だった。
 いつかの夜といい、あの男はどうしてこうも……

 …いや、もう何を考えても虚しいだけか…
 何も考えるまい。悪気はなかろうから……


「…え?昨日の…?」
『そう。いつも弥子ちゃん達に世話になりっぱなしで悪いんだけどさ、状況証拠とか物的証拠とか、漏れなく調書にしるしとかなくちゃなんなくてさ……』

 思わず、溜息。

 警察の絡む『謎』は、事後処理まで関わらねばならんから厄介だ……



.

[*前P][次P#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!