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〜そして助手は苦笑い〜 21
首をのばし軽く唇を重ねすぐさま離し、顎に軽く噛み付く。
「きゃ……」
ヤコが小さく声をあげ、慌てて秘書デスクの方を見る。
…今更何が気になるのやら…
可笑しさを覚えつつも、弛むことなく顎の線を舌で辿り、耳朶を弄ぶ。
ヤコは、意識して声を抑えているようだ。さすがに聞かれるのはヤコにとって都合が悪すぎるということか…
だがその分だけ、からだの震えが顕著になった。
先程、ヤコをまだ子供だと思ったものだが、年齢相応に成熟している…あるいは成熟しかけている部分は少なからずあるものなのだな…
『声』でも、からだの震えでも、良い応え方をするものだと思う。贔屓目なのか、我が輩も浮かされているに過ぎないのかは知らんが…
風邪というわけでもないのに熱を帯びている箇所は…ヤコの『弱い』ところ。
その、熱の顕著なところに唇を、舌を押し付けるうちに、どこに触れても応えるようになることを…我が輩は知っている。
だが今は…状況がそうさせたのか、既にある程度からだが高まっているようだった。
芳しく熱い吐息に、上気した顔に、我が輩しか映らぬ瞳に…
…それを認めることが出来た…
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