main storyT 〜そして助手は苦笑い〜 22 唐突に肩に回された腕が離れた。ヤコは両掌で我が輩の頬に触れ包み込み、微笑む。 正直、愕いた。ヤコの方からこのように触れてくるということは、これまで皆無に近かったのだ…… そして、 「…なんか…」 「……どうした」 「…なんか、ネウロ、やさしい…ね」 子供のように舌足らずに呟かれた台詞に面食らわされる。 …我が輩は優しいのか? 欲に従うだけの行為が…我が輩が…… 「そんな筈はないのだが…」 「そんなハズあるよ… 今のネウロ、やさしいよ。 こういうときのネウロって、やさしいんだよ…自分で知らなかった?」 「………」 …何やら無性に口惜しい… 『優しい』 …それが褒め言葉であるのは我が輩とて重々承知している。 だが…ヤコを扱うときにそれを指摘されるのは、甚だ居心地が悪いではないか。 欲の赴くままにヤコを酔わせようという状況下では、いつもの如くに虐げる時のような『精神的余裕』は失われていると言われているようなもの。 それをヤコ自らに思い知らされるのは、非常に…… 「…それで褒めているつもりなのか?」 「え…? ぁ、ぅあっ…!」 . [*前P][次P#] |