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〜そして助手は苦笑い〜 15

 顔を上げたヤコの眼前に、我が輩は自分の携帯を掲げる。

「?」
 呆気に取られるヤコに構わず携帯を手早く操作する。
 数拍ほど待てば、アカネのデスクに置いてきたヤコの携帯が鳴った。
 途端にヤコは、更に顔を赤らめる…


「ヤコの側にいるが故に、時折聞くこれに察しがついたのであろうな。わかりやすいといえばこれほどわかりやすい変化はない…ということだ。
 …しかし…それにしても、以前のヤコの携帯の、我が輩からの着信音には、我が輩、自分のことながら、笑ってしまったがな」

 ヤコはまた我が輩の胸に顔を埋めてしまい、声をくぐもらせたまま呟く。
「…いつの間に知ってたのよ…あんたからの着メロなんて」
「さあな」
 我が輩はうそぶく。

 ヤコに突っ込まれれば少々都合の悪い話では、あったか。


「…貴様の友人は、その微細だが重要な変化を見逃さず、貴様が詳細を語らぬことで何かを察し、掘り下げることはせずに仄めかしただけに留めた…ということだろう」

「………」



 ヤコが友人のように喜び勇んで話をしようとしないのは、性格からか、我が輩があくまで目立てぬ『助手』だからか…どちらか、なのであろうな……




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あきゅろす。
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