main storyT 〜そして助手は苦笑い〜 16 「着信音が変わったのを知ったのはつい最近だがな、そのような感情の示され方も、なかなか悪くない」 「………」 語る我が輩を見上げるヤコの顔は、まだ赤い…… 我が輩がそれを知ったのは、まだ、ヤコの気持ちは態度で感じてはいたが、 『ネウロ、大好き』 …を聞いていなかった頃だ。 従って、明確な証としてはじめて、漸く知ったことであり、だからこそ…知った時は、これまで感じたことのない心地になったものだった… 「まぁ… でっかいサメが襲ってくるのよか…今のあたしの気持ちに…は…」 「アレの方が近いと…?」 左手をかざすと、ヤコは慌てて、 「わあぁー!また鳴らそうとすんな!」 全身で我が輩の左手の携帯を取り上げようとする。 そのからだを再び絡め取るなど…容易いこと。ヤコが自分から飛び込んできたようなものなのだから。 ヤコは我が胸の内ではにかみながら、囁く。 「…わかるひとには、わかっちゃう、かぁ…」 「そういうことだ。それより…我が輩の質問に答えんのか?」 「……うー…… やっぱ悔しい!」 「それが答えか?」 「…ネウロのバカ。意地悪。ドS魔人…っ! …なのに…」 「………」 . [*前P][次P#] |