影踏エグジット …白カノっていいね! 今回も捏造して書きました。クロハが出てきますよ。 ちなみに、「もう、戻れない」とか「影踏エントランス」と物語が繋がる予定です。 そして、白カノ視点。 *** 「…っ、くしょん!」 「さっきからよく噂されてるだな」 「…風邪引いてるだけだよ…多分」 一緒にソファーに座っているクロハくんが、僕の顔を覗きこんだ。 箱からティッシュを一枚取り、鼻をかむ。 「お前今任務中だろ?休んで俺に仕事回すのはやめろよ」 クロハはばりばりと頭を掻いた。 僕は丸めたティッシュをごみ箱へ投げた。 「…怠け者なクロハくんが仕事を好きになるように僕が休んであげ」 「おいそこのワーカホリック」 「うん、何だい?」 「何でもねーよ呼んだだけだ」 僕はふうと息を吐いて、クロハくんの方を向いた。 「クロハ君にしては全く気の効かない咄だったね。アマチュア小説家でも思い付くような会話だったかな?」 「…疲れてるんだよ俺も」 クロハくんはゴムをくわえ、束ねた髪を結び直した。 「…もっと、面白い咄をしよう?」 ああ、つまんない。 ブルルルル、とクロハの携帯から音が鳴った。電話だろうか? クロハくんはスマホを左耳に添え喋り出した。 「もしもし。あぁ…は?嘘だろ!?ああ。今からそっち行くから、待ってろ」 「…なんかあったの?」 「呼び出しだ。ちょっと仕事場で色々あったみたいだ」 「じゃあクロハくん、出掛けちゃうの?」 「…!?」 何やら、驚愕された。 「何言ってんだ!?お前…そんなキャラじゃなかっただろ!?」 そんな事無いよ? 「え…僕、ずっとこんな感じだよ?」 クロハくんはすこし僕に怯えるような、化け物を見るような表情のままだった。 「…そうか」 「何?」 勝手に納得され、気分が悪い。クロハくんはそんな感情を読んだらしく、「悪かった」と呟いた。 「いや、最近仕事で、鹿野修哉ばかり見てるからだと思う」 「…は?」 露骨に顔に出てしまったのだろう。 「…どうしたんだよその顔…そんな嫌がる事でも言ったか?」 クロハくんは多分、自分が言った事を案じたのだろう。 胸に何か、熱いものを感じた。感動した訳では、絶対に無い。体が沸騰するような。そんな感じ。 「またそれ…?」 「…?」 「…また、それなのッ!?」 空気が凍りついた。 「…それ…?」 「みんなみんなみんなみんなみんな!!もう煩いッ!!!」 僕の大声が響き渡る。 自分でも、一体何を言っているのか、よくわからなかった。 「大体何なのさぁっ!!?僕は僕なんだよ!あんな奴と比べないでよ!!!!」 「…おい、」 「僕はあいつじゃない。あんな嘘つきで馬鹿で自己中なサツジンシャと比べるな!!!」 「…気は確かか」 ハッと、自我を取り戻す。 僕は、何を言っていたのだろうか。 「比べて悪かった。確かにお前はお前だ…悪かったよ」 クロハくんはふぅ、と溜め息をついた。 「出掛けてくる。…風邪、治しとけよ」 クロハくんは扉を押し、出ていった。 これをヒステリーと言うのだろうか。 「引かれちゃったかなあ……」 窓から見える三日月は、恐ろしいほどに白く綺麗だった。 部屋はガランとしていて、背筋にひしひしと、寂しさを感じる。 ひとりぼっちは嫌。 「博士のとこに行こ。」 *** 「もう、戻れない」のタイトル変えようかな。「影踏」が付く名前で。 誰か考えてくれないものかな。 という訳で、名前を募集したいと思います。 誰か良い名前考えてください。 俺のセンスは皆無ですし。 神愛夢さん、コメントありがとうございました!とても嬉しかったです。 更新遅れて、本当にすみませんでした。 front |