いっぱち物語(仮) 3 「つーまーり、二学期、三学期の事も考えるとオレ一人じゃこれが限界なの。授業にも出なきゃだし」 行事を潰したせいで授業時間浮いちゃって、先生方には頭下げましたよ、オレ。やんなくていい授業しなくちゃだもん。ホンット申し訳ない。 本当は文化祭を潰す予定だった。でも一般の来場もあるし、物によってはOBに協力を仰ぐんで、学園生だけの問題じゃない。ちゅーこって、残した。 球技大会と体育祭って…学園生のあらゆる欲を発散させる素晴らしい行事なんに…… 体育委員や実行委員、その長にももちろん、頭を下げました。お仕事奪ってごめんなさい。 「何だよそれ!真面目に仕事しろよ!!いくら投票で選ばれたからって、責任逃れしていい理由にはなんねーだろ!生徒会役員だっていう自覚もてよ!!」 「だ―――――ッ!!」 あ゙ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!いかんいかん!落ち着けオレ!今授業中だから!すぐ戻るつもりだったからあんま教室から離れてないし!もじゃ宮の声が聞こえない程度には離れたつもりだけど!声デッケーんだよクソが!授業妨害とかマジ勘弁しろよ!授業料タダじゃねーんだぞ! 「っ――だ、から…さぁ、オレだけじゃなくて、みんなが仕事してくれりゃあ、全部、通常通りに、はこ――」 「こいつ等は仕事してる!自分の事棚に上げるなんて最低だ!!」 が、ん、ば、れぇぇぇぇぇぇぇ、オ、レェェェェぇぇェェ! 怒りに引きつり、震えるオレが見えんのかいこのスカタン!歯とかギリギリ通り越してバリバリなっとるわ! 「役員には授業免除があるんじゃないんですか?授業って、それより生徒会役員として学園行事の運営を優先すべきじゃないんですか」 フレッシュてめー血管切れたらてめーの血全抜きして輸血してやる 「行事の運営で進級出来るわけじゃないっしょー?おめーバカ?学生である以上は最低限のラインてあんじゃんかさーあ。おめーまじバカ?」 オレに正論言わせんなし。 その後もピーチクパーチク延々と同じ事ばっか繰り返し言いやがる。その中にはとーぜん会長も居るわけで、無能とかクズとか、オレだって傷付くんですがー… めげんけどねオレ! 「会長ー、お願いだから仕事してよー。ついでに副会長達もー」 「つ、ついでですって!?馬鹿にしてるんですか!?」 「え?メインだとでも思ってたの?まじイターい。どん引きー。ちゅーか会長仕事ー」 「チッ、仕事ならしてんだろ。俺は星輝の傍を離れるわけにはいかないんでな」 は?どゆこと? 「こいつは親衛隊に狙われてる。護ってやんねぇと、何かあってからじゃ遅ぇんだよ」 「それに星輝の事は理事長にも頼まれてるんですよ。星輝は理事長の甥なので。まあ、それが無くても星輝の事は私が護りますが」 フフッとか笑ってる。キモい。どや顔だし。キモい。 補佐子も書記もフレッシュもヤン造も護るだのなんだの。もじゃ宮も、満更でもない顔で「俺は護られる程弱くねー!返り討ちにしてやんよ!」だのなんだの。 「………仕事、してつかぁーさい……」 げっそりとその場を離れた。 [*前][次#] [戻る] |