いっぱち物語(仮)
22
クッソやべー。
会長単品とかマジ嬉しいんだけど、よりによって何でエロ脳フルスロットル状態で会うんよ。落ち着いとけよー息子。毎日のおかずが目の前に居るからって暴れんなー。こんな廊下の真ん中でテント張ろうもんならオレ、完璧変質者だわよ。
「随分お楽しみだったみたいだな」
嫌悪感も表に眉間に皺を寄せて、そう吐き捨てる。
よくよく見ると制服が乱れてる。あれまー、エロ脳に浸ってたせーで、逃げるのに必死で整えてねかった。半ケツにはなっとりゃせんがパンツ見えてっし、服めくれてへそ見えてっし、そんな襟足長くはねーから項の歯型は…正面に居る会長から見えないにしても、滲んだ血は見えてると思う。服にもちょい付いてるし。
「……えー…お楽しみとかマジ勘弁なんスけどー。男とケツ穴ファックするぐらいなら女の子とアナルファックしたーい」
出来るならノーマルプレイがいい…ちゅーかケツ穴ファックでも会長ならバッチコイなんスけどー。ちゅーかちゅーかお楽しみて、襲われたて考えはないんかーい。血ぃ出てんのにー。悲しいやら呆れるやら、会長のバーローw
「ちゅーか珍しくね?転入生は?いねーの?はぐれたの?迷子なのかにゃー?」
服を整えながら小首を傾げっと、忌ま忌ましそうに舌打ちしてくる。
「…どこ行ったか知らねぇか?」
「知るわけねーっしょ?会長と違ってあんなんにオレが張り付くわきゃねーんだし。てあーはいはいはいはいちょい待ち!」
イライラしながら去って行こうとする会長の腕を掴んで引き止める。直ぐさま振り払われたけど…(泣)まー脚を止めてくれただけいーわ。そー思う事にするわ。
二人っきりになれるチャンスなんてそうそうない。もじゃ宮が合いの手を入れられない今、今なら会長と会話ができそーな気がする。
「会長、何度もゆーけど仕事は?」
……………………無言。
しかもまた去ろうとするから、また腕を掴む。と、振り払われたから今度は掴みなおす。また払われかけたけどもー離してやんねーと思って力を込める。
「……じゃー質問変えっけど、会長は会長を辞めてーの?」
…これにも無言。
「婚約はマジに解消すんの?会社継がないわけ?」
…………やっぱり無言。
「………本宮が…好き…?」
ピクリと反応する。やっと反応示したと思ったらもじゃ宮でかよ…
「好き?……今までの会長を全部捨ててしまえるぐらい?」
「…あいつだけが俺を理解してくれる…理解してくれた…」
「……何それ…」
ほんと…ほんっっと…バカじゃねーの…
「会長…親父を尊敬してるって、親父の後継いで今以上に会社でっかくするって言ってたじゃん…親同士が決めた結婚でも、相手の事は気に入ってるって、でしゃばって来ない、一歩引いて男を立ててくれる、それでも自分を卑下してるわけでもない、一本筋の通った出来た女だって。自分が生徒会長である以上この学園は、生徒は自分のもんだって、オレ達はただ付いて来ればいーって、そー言ったのはあんただろ!!いー加減目ぇ覚ませよ!あいつはあんたの事これっぽっちも理解してねーよ!あんた否定して自分勝手な言い分喚き散らして堕落させよーとしてるだけじゃねーか!あんただって気付いてんじゃねーのかよ!!」
「て――」
「聞けよ!!」
会長の胸倉を掴んで引き寄せる。
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