いっぱち物語(仮)
21
「ここで八と何してたんだよ!」
「星…」
「最低だ!俺が好きなくせに!謝れよ!俺が振り向かないからって八になんか手ぇ出して!嫉妬して欲しかったのか!?だからってこんな事すんなよ!八だってかわいそうだろ!?八なんかが俺の代わりになれるわけないんだから!相手して欲しいんならそう言えよ!」
「……何…言って…」
愕然とする。
痛みに呻く声を聞いても心配するわけでもなく、優しい言葉の一つも無い事に。その自己中心的な物言いに。
おかしい。
星輝は、自分の惚れた相手はこんな事を言うやつだっただろうか?「なんか」なんて、人を見下す言い方をする奴だったか?何してたかを聞いてきたが、恐らく先程までの状況は把握しているんだろう。見ていたか聞いていたか、出て行ったばかりの扇情的な彼を目撃したか、理由はわからない。が、その上で「相手をして欲しいなら」云々なんて、どれだけ捻くれた思考で捕えてもそうとしか聞き取れない。
何故?
セフレはダメだと愛らしく恥ずかしがりながら、それでも諭すように言ってたじゃないか。
俺は星輝の事は恋愛感情で好きだけど、その気持ちが伝わった事は無かった。好きだと告げても無邪気に自分も好きだと、友達だからと言われて、悲しさと、その鈍さが可愛いと思った。自分はノンケだと。体に触り、キスを迫る会長や副会長に「キスは好きな人とやるもんだ」って…
でも、だったら何で?何で星輝は今頬を染め、はにかんでんだ?何で拗ねたように「相手をして欲しいなら自分に言え」なんて言ったんだ?何で媚びるように上目遣いで見てくるんだ?
屈んで俺の袖を握って、まるでこの学園の獣共のようにその目は肉欲に光ってる。俺を放すまいと、必死に繋ぎ止めるように力を込めて…
好きな筈なのに、寒気がした。
「爽は友達だけど、だからって俺の代わりを見つける事なんてないんだ。お前がそんな悲しい事するぐらいなら俺が受け止めるからさ…」
もう、止めてくれ。
「身代わりとかさ、止めろよな。…八がかわいそうだ…」
止めろ……
「文蔵だって…ダメだぞ。あんま八を調子に乗らせるような事したら。あいつのためになんないだろ?いつまでたっても反省しないんだからさ」
止めろ!!
騙してたのか?俺達の、俺の気持ちを知りながら知らない振りをして、振り回して、悦んでたのか?モテて嬉しかったのか?よくよく思い出すと、星輝が自ら話し掛けるのは決まって美形ばかり…
………俺は…何を見てきたんだ……
「クッソ、ケツいてー…」
マジねーわ、引っ掻くとか。切れてねーよなぁ、これで痔とか勘弁しろよー。クマさんに言ったら間違いなく舐められる。そこまで奥じゃねーけど浅くもないから、消毒と称して舌突っ込んでケツ穴パックリ開くまで唾液でべちょべちょにされそー。あの変態ならやりかねん。て、あーーー、思考がエロだ。エロエロだ。どこがフレッシュだっつーの!腐ったグレープフルーツめ!ねちっけーんだよ!ケツ穴疼きーのエロモードで会長にでも逢ってみろ!G共がいてもちんこおっ勃つ自信ある。ケツ穴疼いてるオレを会長に見られるだけでイっちゃう自信ある。そのまま萎えちんを靴で踏み付けられたら〜とか何とかドエロい思考に浸ってたらおいおいおいおいおい!目の前を歩いて来る人を見た瞬間ケツ穴がヒクついた。
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