深い闇の底で見つけた光 03 安心しきったのか再び眠くなる私に、薫は私の額を突いた。 「…っい」 「…ほら、行くよ」 そう言って薫は私に服を押し付ける。 今まで着ていた着物に、私の世界で着ているワイシャツ。 「これって…洋服?」 「そうだよ。これからはこっち」 渡された洋服をまじまじっ見ると、薫は終わったら呼んで、と部屋から出ていった。 色は違うけど、薫が着ているものと同じ様な服で、私は少し嬉しくなって微笑む。 そっと手に持っていた服を床において、私は帯を解いて着物を脱ぐと、懐かしいワイシャツに腕を通した。 [*前へ][次へ#] |