春夏秋冬イベント夢 雛祭り(TOS) 「今日は楽しい雛祭り〜♪」 コレットが、楽しそうに歌いながらパタパタと走っている。私と、ミトスはそれを目で追いかけていた。 「雛祭り…か」 「そうですね」 あまり話すこともなく、私たちはポケーっとコレットを眺めていた。 すると、コレットが私たちに気づいて走ってきた。 「ミトス、カナン!何やってるの?」 「別に何もやってないよ」 コレットの問いかけに笑って返した。 そんな私たちを見ると、コレットはニコッと笑って言った。 「暇ならお願い、手伝って!」 ということで、雛祭りの準備をお手伝い中。 「カナン!これ持ってって!」 「はい!」 渡されたものを部屋へと運ぶ。 「よいしょ…」 荷物を床に置いて、一息つく。すると、後ろから声が聞こえた。 「…まったく、なんで僕までこんなことをしなくちゃいけないんだ」 「仕方ないですよ。あの場に居たのがいけなかったのでしょうか」 はぁ、とミトスはため息をついた。 「…さっさと終わらせよう」 荷物の蓋を開けてみる。普通の雛人形。それを見ていたら何か閃いた。 「良いこと思いついた!」 「ミトス、カナン。飾りつけ終わった?」 コレットがそう聞きながら部屋を覗いた。 「わぁ…」 「あ、コレット。いいところに。これ着てみて」 「え?うん」 「カナン、これどうすればいいの?」 「えっと…これをこうしてこうするんだよ」 「へぇ〜」 「出来た!」 「これ…お雛様と同じだ!」 コレットが着ている服はお雛様と同じ服。 コレットはその服が気に入ったのか、パタパタと部屋を出ていった。 その後にドテンッと鈍い音が響く。 その音は家中に響いたのか、みんなが走ってきた。 「コレット!大丈…夫…どうしたんだ、その服?」 「カナンが着させてくれたの!お雛様同じだよ!」 みんなが一斉に私の方を見た。 「どうせなら雛祭り気分になってみようかな、と思って」 みんなの顔を見てみると、やってみたいという顔をしていた。 「みんなもやる?」 「あー!ロイド、ズルい!僕もお内裏様がよかった!」 「ジーニアス。ロイドがお内裏様なのはしかたない事でしょう」 「…そうだよね。あ、プレセア!とても、に、似合ってるよ!」 プレセアは自分の服をまじまじと見ながら言った。 「…ありがとうございます」 「似合ってるじゃないか、二人とも」 「お、まじ〜?」 「あんたじゃないよ」 しいなはそんなゼロスを横目で見ながら、ため息をついた。 「リーガル、こんな時ぐらい手錠外せば?」 「いや、外す訳にはいかない」 真顔でいうリーガルにこれ以上言っても無駄だと思った。 「クラトスも似合ってるね」 「………」 照れてる…のか? 「まあいいや。しいな、料理出来てる?」 「バッチリさ」 「持ってきたから、ここで食べよ!」 コレットが嬉しそうに笑う。たまにはこういうのもいいな、って思った。 『いただきま〜す!』 (この日がいつまでも続きますように) 2010.03.03(水) あとがき 雛祭りです。目的が違うような…。 口調が違ってたらごめんなさい。 それでは、また。 [*前へ][次へ#] |