春夏秋冬イベント夢
節分(TOG)
「おーい、ソフィ!」
「なに?アスベル」
ソフィはこちらに歩いてくると、不思議そうに首をかしげた。
「豆まきしようぜ」
「まめまき?」
また首をかしげる。わかっていないらしい。
「豆まきっていうのは、体の中にいる悪い鬼を追い出すためにやるんだよ」
ヒューバードが鬼のお面を持ちながら、ソフィに説明する。するとソフィは、わかった、というようにうなずいた。
「というわけで、はいっ兄さん」
にこり、と笑いながら、ヒューバードはアスベルにお面を渡す。
「えっ?俺?」
「うん」
「………」
アスベルはヒューバードをじっと見ながら、無言になる。すると、ソフィがアスベルとお面を交互に見ると、アスベルに視線を戻した。
「アスベル、鬼やるの?」
「そうだよ、ソフィ」
「おい、ヒューバード!」
ヒューバードを見ると、ニコッと笑って返されてしまった。ソフィの目も輝いている。
「わかったよ…」
アスベルは溜め息をはきながらお面をつける。その間にヒューバードは、ソフィに豆の入った入れ物を渡す。
「よし、こい!」
アスベルは二人の方を向いてかまえる。それをみてヒューバードは、豆を手いっぱいに掴む。そんななか、ソフィはまた首をかしげていた。
「どうやるの?」
「見ててね。鬼は外!」
ヒューバードはそういうと、アスベルに向かって豆を投げる。
「福は内!」
ヒューバードはまた、アスベルに豆を投げた。
「おっと!」
アスベルは飛んできた豆を、サッと避けた。
「よけちゃだめでしょ、兄さん!」
「お前が鈍臭いからだ…」
その瞬間。
バシッと、アスベルの背中に豆が当たる。
ゆっくりと後ろを振り返る、と。
「…鬼は外」
「ソフィ…」
アスベルは痛そうに背中をさする。すると、ソフィが豆を掴んだ。
「福は―」
「ちょ!ソフィ!手加減――」
しろ、と言おうとする前に、また豆が飛んでくる。
仕方なく、アスベルはソフィから逃げる。
その後ろで、二人が怪しく笑っていたとは知らずに。
「鬼は外!」
「福は内」
逃げるアスベルを追いかける二人。
豆まきなんて、やろうと言わなければよかった。そう思うアスベルだった。
(ソフィの力って…強い…)
2010.02.03(水)
あとがき
今日は節分なので、TOGの少年期で書いてみました。
ソフィと出会って、少し後という設定です。
短いですが、楽しんで頂ければ光栄です。
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