春夏秋冬イベント夢
ハロウィン(TOA)
今日は一年に一度のハロウィン。
仮装して大人たちにお菓子をもらう、子供たちにとっての一大イベント。
「というわけで、大佐〜」
ぱたぱたと仮装したアニスが走ってくる。
ジェイドはそれを見て、にこりと笑った。
「なんですか〜?アニス」
「トリックオアトリート!お菓子くれなきゃ、いたずらしちゃいますよ〜」
「おやおや、こわいですね〜。ではアニス、どうぞ?」
ちっとも怖そうな顔をしないジェイド。懐からお菓子が入っているであろう袋を取り出して、アニスに渡した。
「わぁ。ありがと、大佐」
「どういたしまして」
何か怪しそうな顔をしていたな、とかそばで思いながら二人を見ていると、不意にアニスがこちらを見ているのがわかった。
「どしたの、アニス?」
「思ったんだけどさ、ユイカは仮装しないの?」
「え、私?」
「せっかくですから、ハロウィンに参加してはいかがです?」
「それいいですね、大佐!」
ジェイドまで何言ってんのさ、と苦笑しながら思っていると、アニスに手を引かれる。
「ちょ、アニス!?」
「ほらほら行くよ」
ずるずると引かれていく私。そんな姿を見てジェイドはにこりと楽しそうに笑っていた。
「ジェイドーっ!」
「いってらしゃいませー」
いや、棒読みだし。というか助けてくれないの…?…て、期待しても無駄か。
…楽しそうに笑ってるしね。
私はアニスに連れられて、その場を離れた。
「…本当に大丈夫?」
「大丈夫だって!似合ってるよ」
「あはは、ありがと」
私が着ているのは魔女の仮装だ。
アニスに無理やり着せられた服。
…もともとハロウィンに参加するつもりなかったんだけどな。
「いい?トリックオアトリートだよ?」
「うん」
素直に頷くと、アニスは私の手を取り、一緒に行こうと言ってくれた。
「でも、やっぱり恥ずかしいよ」
周りの目が気になる。私はうつむいてしまった。
「大丈夫だって!ノリだよ、ノリ!」
「う、うん」
アニスはそういうが、心臓がばくばくとうるさい。
それを抑えるために深呼吸していると、一番合いたくなかった奴が来た。
「よ、二人してなにやってんだ?」
「ル、ルーク」
「ハロウィンだよ。あ、ルーク!」
アニスが私の手を引きながら、ルークに近寄った。
「トリックオアトリート!お菓子くれないといたずらしちゃうよ?」
「お?お菓子か…。たしかここに…」
ルークがお菓子を探しているときに、アニスがこそこそと私に話しかけてきた。
「ほら、ユイカも」
「私も…!?」
「もちろん!」
がんばって、と背中を押され、私は一歩前に出た。
「…ルークっ」
「ん?」
震える手で持っていたステッキを前に出し、意を決して言葉を紡ぐ。
「…ト、トリックオア…トリート…。お菓子くれないと…いたずら…しちゃうんだからっ」
もう何て言ったかわからない。ただ必死にアニスに教えてもらった通りに言っただけだ。
そーとルークの方を見てみると、お菓子が手渡された。
「ほい、菓子」
「…ふぇ?」
「ありがとー、ルーク」
ちょこんと手の上にのせられたお菓子をただぼーと見つめていた。
「じゃ、俺これから予定あるからさ。がんばれよ、ユイカ、アニス」
そう言ってさっさと歩いて行ってしまうルーク。
「ユイカ、上出来じゃん」
楽しい?って聞いてきたアニスににこりと笑いかけて、私は行こうと言った。
「けっこう簡単でしょ?」
「うん!楽しいね、アニス!」
最初はあんまり気が乗んなかったけど、やってみたら楽しいなと思った。
誘ってくれてありがと、アニス。
2010.10.31(日)
あとがき
久々の春夏秋冬イベント夢です
ハロウィンですよ、皆さんはハロウィンパーティとかやるんですか?
私は部活で29日の金曜日にやりました
楽しかったですww
アニスをおもに書くつもりでしたが、夢主がおもになったってるかもしれませんっ
『春夏秋冬イベント夢』はここで終わりです。
ではまた他の小説でお会いできたらなら…。
上条魅零
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