春夏秋冬イベント夢
梅雨(TOS-R)
「…ん…」
エミルは軽く寝返りをうって、のろのろと目を開けた。
「…朝?」
ゆっくり起き上がって背伸びをした。
その際に、窓を覗き込んだ。
「雨降ってる?」
エミルは軽く首を傾げた瞬間。
物凄い音とともに、扉が開かれた。
「エミル!」
その音にビクッと驚いたエミルは少し間を開けて、扉の方を向いた。
「…なに、マルタ?」
「雨が降ってるの!」
「うん」
慌てたように喋るマルタに軽く頷く。
「雨降ってたら、旅出来ないじゃない!」
「…この時期は、梅雨だからね。しばらくこの宿にいるようになるかな」
それを聞いたマルタは少しがっかりしていたようだった。
「…雨で濡れて風邪を引くよりいいでしょ?」
「…でも、ずっと宿に居るのも退屈じゃない」
マルタは壁に寄り掛かると、少し涙目になった。
そんなマルタを慰めようと、エミルはベッドから降りようとする。
その途中に、窓の外が見えた。
「…マルタ」
「…なに?エミル」
マルタは不思議そうに首を傾げた。
「ちょっと、下に行こうよ」
エミルはニコリと笑いながらマルタの手を引いて部屋から出た。
部屋から出て下へ行くと、宿の受付に話し掛けた。
「すみません。傘ってありますか?」
「傘…ですか?少しお待ち下さい」
受付はそう言うと、傘を探し出す。
「エミル?傘がどうしたの?」
「…あのお客様。傘は一本しかないのですが…」
「一本でいいです」
エミルはそう言うと、受付から傘を受け取る。
「ねぇ、エミルってば!」
マルタはエミルの服を掴むと引っ張った。
「…マルタ。買い物行こうよ」
「…え?」
エミルは扉を開けると、傘を開いて手を差し延べた。
「…うん!」
マルタは嬉しそうにエミルの手を取ると、一緒に傘の中に入った。
「…エミル、知ってる?二人で一緒に傘の中に入ること」
「…知らない、かな」
マルタは少し照れるが、すぐに笑顔になった。
「…それはね」
エミルは首を傾げて嬉しそうに言うマルタを見た。
(相合い傘って言うんだよ)
雨の日でも、あなたと一緒なら楽しい…かな。
2010.06.28(月)
あとがき
梅雨って感じですかね?
最近、ムシムシするわ、じめじめするわ、なんなんだこの季節は!みたいな感じで過ごしてます。
雨さえ降れば少しは涼しいのに…
湿気ありすぎ…
さて、今回は梅雨というテーマです。
梅雨になるのはいつなのかわからず、今日になってしまいました。
それでは
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