short 確信犯/甘 武蔵野第一高校背番号10、それがあたしの好きな人。 確信犯 「名前宿題みして、やってあんだろ?」 「やってるけど何か嫌 頼み方がおかしい」 「とりあえず見せとけ」 あたしの手からするっとノートが消える。 隣で一生懸命ノートうつしてる榛名。 暇なあたしは榛名を観察する事にした。 その横顔を見てると悔しいけど人気があるのも頷ける。 でもやっぱり野球やってる時が一番輝いてるしかっこいいと思う。 「榛名、また名前に宿題見せてもらってんの?」 呆れたように榛名を見おろして言うのは秋丸君だった。 「秋丸君は終わったの?」 「うん、終わったよ。」 同じ部活の秋丸君ができているのに榛名ができていないなんて何か変。 「秋丸君は凄いね!それに比べて榛名は....うん。」 「何だよ、わりいかよ!」 「別に−!ああもうチャイム鳴るじゃん、秋丸君後でね−」 手を振ってたら横から榛名にノートで叩かれた。 「痛っ!....ああ写し終わった?」 「おまえが秋丸と仲良く話してる間に終わった」 心なしか不機嫌に見えるのは気のせいか。 何かしたかあたし。 考えているとふと他の疑問が頭の中に浮かんできた。 「榛名ってどうしていっつもあたしの宿題写すの? 秋丸君だって良いじゃん。」 何気なく聞いたつもりが榛名には結構な質問だったようで。 顔を真っ赤にして 「そうしたらお前と話せんだろ」 一瞬目の前が真っ白になった気がする。 あの榛名がそんなこと思っててくれたんだなって思うと思わず口元がほころんだ。 「榛名、明日からもずっと見せてあげるよ」 (いっつも忘れすぎじゃない?)(じゃねーとお前のノート借りれねえじゃん) (....わざとか!!) 確信犯な榛名。 が好き。 next→ [戻る] |