Trick or Threeway(※18禁)・4


「ん……っ、は……ぁ、んんっ……」
「あっ、ふぁ……ん、くぅ……っ」

 ぴちゃぴちゃ、ぬちゅぬちゅと音をたててふたりのカイジは互いを高め合う行為に没頭していたが、今にも果ててしまいそうなほど高ぶりはするものの、両者とも、なかなか絶頂しなかった。
 快楽に弱いのはふたりとも同じなようで、互いのフェラチオに感じ過ぎてしまうがあまり決定的な刺激を与えられず、イくこともイかせることもできずに、生殺しのような状態がずっと続いているようだ。

 徐々に疲れも出てきて、苦しそうに息を乱しながら互いの陰茎を口に含んでいるだけのふたりを見て、アカギは兎カイジに挿入していた自身の指を、ズルリと抜き取った。
「あ……っ?」
 尻孔から異物が抜け出ていく感触にブルリと背を震わせ、つり上がった黒い瞳がアカギを振り返ってくる。
 どこか不満そうにも見えるその紅潮した顔を見て、アカギはニヤリと笑い、蠱惑的な声で囁いた。

「ふふ……淫乱カイジさん。あんたら、そんな刺激じゃイけないんじゃない?」

 その一言でアカギが言わんとしていることを悟り、ふたりのカイジは大きく目を見開く。

「……」
「ばっ、馬鹿野郎っ……! 相手はオレ自身だぞっ……!! 同一人物同士で、そんなこと、できるわけ……、っ」

 シックスナインの快感がすべて吹き飛んでしまったかのように、仰天した猫カイジは大きな声を上げるが、自分の上にいる兎カイジがなにも言わず黙り込んでいるので、徐々に不安げな顔つきになっていった。

「お、おい……? ッ……!!」

 おどおどと声をかけた瞬間、ゆらりと体を翻したもうひとりの自分と目が合い、猫カイジはサッと青ざめる。
 二本の長いウサギ耳を頭につけていながら、その瞳は完全に肉食獣のそれだった。
 絶頂寸止め状態の兎カイジは、完全に快楽に取り憑かれてしまったかのようにギラついた表情で、体が竦んで動けなくなってしまった猫カイジに、正常位の形でのしかかる。

「や……っ、やめ、っ……!」
 抗議の声など聞き入れず、兎カイジは猫カイジの足をぐいと抱え上げる。
 現れた窄まりは、先ほどまで兎カイジの指を咥え込んでいたためよく解れ、赤く熟れてヒクヒク蠢いていた。

 ゴクリと唾を飲んでその様子に釘付けになったあと、はぁ、はぁ、と息を荒げながら、兎カイジは快楽を求めてビクビクと脈打つ自身の勃起を、ぐっとソコに押し当てた。
「あ……っ! や、嫌だっ、やめてくれっ……!!」
 熱く濡れた凶器の感触に体を引きつらせ、猫カイジは恐慌に陥ったかのように、カタカタと震え始める。
 縋るように歪んだその顔に一瞥もくれることなく、兎カイジは目の前のいやらしい孔を食い入るように見つめながら、自身を挿入しようとする。
 が、先走りでしとどに濡れた先端がぬるぬると滑り、うまく入らずに目を眇めて舌打ちした。

 逸る気持ちを抑えて位置を調節し直し、根本に手を添えてゆっくりと腰を進めれば、ようやく亀頭がぬるんとめり込み、挿入が果たされる。
「やめ……っ、ひぁ……あぁ、あ……!」
 衝撃に涙を溢れさせ、喉を反らして高く鳴き声をあげる猫カイジ。
 ひどく驚いたみたいにうねり、めちゃくちゃに蠢く内壁に敏感な亀頭を揉みしだかれ、溶けそうな快感に兎カイジはたまらず一気に根本まで挿入する。
「あぁ、ふ、深……ぁっ、う、うう……っ」
 隠毛が尻に当たる感触で、完全に結合が果たされてしまったことを知り、猫カイジの表情が悲愴に歪む。
「っ、く……ひ、ぐ……、お願……もう、やめ……ッ」
 真っ赤な頬にぽろぽろと大粒の涙を零しながら、か細い声で懇願する猫カイジの顔を、兎カイジは熱に浮かされたような表情で見下ろして、その体に覆い被さった。

「んーーッ……!?」
 いきなり唇を奪われ、猫カイジは涙に濡れた目を大きく見開く。
 思いもよらぬ行動に軽いパニックに陥り、どうにか逃れようと身じろぐものの、すぐに舌が潜り込んできて深く絡められ、官能的なキスに力が抜けていく。
「ん……ん、ぁ……」
「……ん、っ……」
 性器で深く繋がったまま、くちゅくちゅと音をたててたっぷりと唾液を交換し合ったあと、兎カイジが唇を話すと、透明な糸がふたりを繋いだ。
「ふぁ……あ、あ、なんで……っ?」
 とろんとした表情で舌を突き出す猫カイジを熱っぽい眼差しで見つめ、兎カイジは密着したまま腰を使い始める。

「や、あっ、あっ……ぁ、んっ……」
「……ッ、う……」
 ズッ、ズッ、とリズミカルにひたすら突き上げられ、猫カイジの口からあられもない声が途切れることなく上がる。
 それに重なるように、律動に合わせて首の鈴がチリチリと甘い音を奏でていた。

 硬く反り返った陰茎は、収縮する恥肉を力強く割り開くように出入りし、張り出したカリがちょうど前立腺に引っかかって甘やかな快感を生む。
 黒い猫耳は完全に伏せられ、床に伸びたしっぽはイイところを突かれるたびに、ひくん、ひくんと痙攣している。
 ふたりの腹の間で痛いほど勃起した自身が擦られるのもたまらなく、猫カイジはひたすら身をよじっては淫らに喘ぎ続けた。

 乱れるその体の上で力強く腰を振る兎カイジもまた、クラクラするほどの性感の虜になっていた。
 やわらかな肉の襞が纏わりついて離れず、腰を引くと嫌がって引き止めようとするみたいに蠕動する中の動きに、目を瞑って深く陶酔する。
「ん……、あぁ……いい……すげ、イイ……、っ」
 あまりの快感に低く喘ぎを漏らしながら、狭く気持ちの良い孔の中で、ぬちゅぬちゅと自身を扱き上げる。
 溢れ出す濃い先走りがローション代わりとなって抽送をスムーズにし、その滑りにさらなる快楽を刺激され、兎カイジの動きは激しさを増す一方だ。
 丸いしっぽの下にある窄まりも、陰茎に与えられる刺激に反応して、生き物のように蠢いている。




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