sandwich(※18禁)・2


 ……と、いうのがつい十五分ほど前の話。
 その後、紆余曲折を経てーーというか、完全にキレてしまったしげるが赤木となんやかやと吠え合っているのを、完全に蚊帳の外に置かれたカイジがなすすべなく傍観しているうち、ふたりの間で話がまとまったらしく、ーーいつの間にか、このような惨状になっていたのだった。

「うわの空だなんて、いいご身分じゃない……」
「ぅあっ、あぁ……っ!」
 ぼんやりしていたことを咎めるように、雁首の周りをぐるりと舌でなぞられ、カイジはビクッと仰け反る。
 その反応で、ソコがカイジの弱点だと見抜いたしげるは、ぱっくりと亀頭を口に含み、張り出した部分を唇に引っかけるようにして上下に愛撫する。
「あっあっ、しげ、それ、やめ……ッ、し、げる……っ!!」
 口の中でぐんと質量を増したカイジ自身に気を良くし、しげるは激しくソコを責め続ける。

 どうやら『フェラチオでカイジをより激しくよがらせた方が勝ち』というぶっ飛んだ勝負が、ふたりの間で勝手に繰り広げられているらしい。
 しげるが勝てば赤木は素直にこの部屋を出て行くし、赤木が勝てばしげるが提案を呑んでめでたく3P……という取り決めになっているらしかった。

 どこまでも、カイジの意思は無視されている。
 元凶はカイジの自業自得だとはいえ、あまりの仕打ちに文句のひとつも言ってやりたいのは山々だが、いかんせん急所をふたりの舌によって責められているので、意味のある言葉を満足に口にすることすらできず、身悶えるしかない。

「あっ、はぁ……ッ、んっ、しげ……る、あっあッ!」
 涙声でなんども名前を呼ばれ、しげるがカイジのモノを出し入れしながらほくそ笑む。
『どちらがカイジをより激しくよがらせられたか』という、客観的に判断のつきにくいことを公平にはかるために、ふたりは『自分の名前をカイジにどれだけ多く呼ばせることができたか』に置き換えて勝負を進めているらしい。

 今までは五分五分といったところだったが、ここへ来てカイジの弱いところを見つけたしげるが一歩、リードしていた。
「ん……っ、きもちい? カイジさん……」
 ちゅ、と音を立て、うすい唇で赤黒い亀頭を咥え込み、上目遣いで見上げてくるしげるに、カイジは腹の底が沸騰したようにカッと熱くなるのを感じる。
「あっ、んっ……いい……しげる、きもちい……ふぁ、んんっ……」
 夢中になって腰を揺らめかすカイジを見て、赤木は根本を嬲っていた唇を離す。
「クク……やるじゃねえか。だが……」
 不敵に笑い、赤木はカイジの足の間にもぞもぞと頭を突っ込む。

 次の瞬間。

「っあぁ!! や、あ、ぁあぁっ……!?」
 大きく目を見開き、バネのように上体を跳ね上げたカイジを、しげるは驚いた顔で見上げる。
「あっあぁッ、赤木さ、それ、やめ、ひぅっ……!!」
 態度を豹変させ、今まで聞いたこともないような声で喘ぐカイジに、しげるはつかの間、呆気にとられた。
 カイジのモノから口を離し、赤木がいったいなにを始めたのか、見ようにも深く伏せられた赤木自身の頭が邪魔で見ることができない。
 どうやらパンパンに膨れ上がった陰嚢から下の、会陰の部分を責めているらしい、ということだけは辛うじてわかった。

 白髪頭が動くたび、カイジはたまらないという風に体を跳ねさせる。
「あぁ、あっ! あか、やめ、おかしく、なっちまうぅっ……!!」
 感じすぎて怖いのか、悲痛さすら感じさせる声で訴えるカイジ。
 だがその言葉とは裏腹に、無骨な手は赤木の頭を押さえ込み、もっととねだるように腰を浮かせている。
 もちろん、赤木もその様子に気付いていて、目だけでカイジに笑いかけた。
「わかったわかった……もっといっぱいしてやるから、そんなにがっつくなって……」
 しょうがないやつ、という風に笑われ、カイジの頬が火を噴くように赤くなる。
「な……っ、ちっ、違っ……やめ、あっ、くうぅっ!」
 カイジは激しく首を横に振るが、本音は真逆であることは誰の目にも明らかだった。
 硬くなった陰嚢を唇でやわらかく食みながら、赤木は挑発するようにしげるを見る。
「亀の甲より年の功……ってな。まぁお前もいずれ、これくらいはできるようになるさ」
 もう勝った気でいるような思い上がった台詞に、しげるは唇を噛む。
 それでも、カイジが赤木の舌使いに翻弄され、もはやしげるを含む周りのことなどまったく見えなくなっているのは明白で、悔しいながらもしげるは別人のように乱れる恋人の姿に、ただ驚嘆することしかできなかった。

「あっ、ああっ、赤木さ、赤木さ、ぁん、は、ぅ、あかぎさ……ぁあ、んっ!」
 髪を乱し目をとろけさせ、悩ましげに腰をくねらせてはいやいやをするように首を振りたくりながらも、両の腿でしっかりと赤木の頭を挟み込み、貪欲に快感を得ようとするカイジ。
 その動物じみた感じように、不本意ながらも下半身が兆すのを感じて、しげるはギリ、と歯噛みする。

 負ける気など更々ないのに、カイジに視線を奪われてしまって、目が離せない。
 複雑な表情でカイジを見つめるしげるにふっと目を細め、赤木は顔を上げた。

「悪いが……俺の勝ちだな」
 そう言って唇を舐め、赤木は素早くカイジ自身を深く咥え込んでしまう。
 完全に隙を突かれたしげるがはっとして赤木を見るが、時既に遅し。
「あっあっぁ、だめ、あかぎさ、も、出るぅっ……!! あっ、ひあぁぁ……ッ!!」
 断末魔のような声で赤木を呼び、カイジはビクビクと腰を震わせながら赤木の口内に吐精した。



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