色魔・3(※18禁)


「ふ、ふぁぁ……っ」
 カイジの口から情けない声が零れる。
 信じがたいことに、男の白い頭は今、カイジの胸の辺りにある。
 服をめくられ、いきなり胸の先端に吸いつかれたのにカイジは仰天したが、ねっとりと口内に含んだり、舌先でチロチロと転がされたり、空いている手でもう片方の突起をクリクリと弄くられたりしていると、体の芯がうずうずしてきて、霰もない声がでてしまう。
 飲み屋の扉に背中を預け、膝から崩れ落ちてしまわないように足を踏ん張るのがやっとなのだ。
 声を我慢することなど到底、できるはずもない。
 先ほど男も言っていたが、口づけられたとき、飲んでしまった男の唾液が、カイジの体に妙な感覚を引き起こさせているのに違いなかった。
 路地裏とはいえど、ここは人の行き交う屋外だ。もしも誰かに見られたら、とカイジは気が気でならない。

 ハラハラして、気もそぞろになるカイジの注意を引くように、男が胸の突起に歯を立てる。
「い、っ……!」
「そんなに怯えなくても、誰も来ないようにしてあるって言ったでしょ」
 痛みに歪むカイジの顔を見上げ、男は目を細める。
「まぁそれは言い換えれば、『助けを呼んでも無駄』ってことなんだけど」
 舌を押しつけて大きく舐め上げられ、カイジはびくんと体を震わせた。
「あ、あぁ……ぅあ……」
 自分の口から漏れ出る声にいたたまれなくなって、カイジは男の頭に顔を埋める。
 カイジが喘ぐ度、男の白い髪がふわりふわりと浮き上がった。

 ぬるぬるになった突起を最後にちゅぅ、と吸い上げて、男はカイジをいったん解放した。
「はぁ、はぁ……っ」
 ぐったりと倒れ伏しそうになりながらも、大急ぎで乱れた息を整えるカイジの前に、男は立て膝をつく。
 そして、いきなりカイジのジーンズのベルトに手をかけたので、カイジはぎょっとして腰を引いた。

「ーーっ! バカお前、なにして……っ!?」

 男の魔の手から逃れようとするカイジだが、そんなものはもちろん無駄な抵抗で、あっという間に下履きもろとも引きずり下ろされてしまった。
「ひぃっ……!」
 道端で、冷たい外気に触れさせられている自分の情けないモノを見て、カイジの口から苛められた犬のような声が上がる。
 乳首への刺激で半勃ちになっているところが、またカイジの悲しさと羞恥を煽った。
「くそっ……! てめぇっ、こんなことして、タダですむと……あっ!? あっ、く! んあぁっ……!」
 威勢のいい台詞は、途中から濡れそぼった嬌声に変わる。
 男が舌先で、見せつけるようにカイジのモノの先端をつついたからだ。
「お、お前、なにして……っ、あ! あ、ひぃっ!」
 尖った舌がつんつんと先っぽに触れる度、カイジのモノは生き物のようにぴくん、ぴくんと揺れる。
 面白そうにその様子を眺めたあと、 男は亀頭をぱくりと口に含んでしまった。
「あ、あ……、あっ、やめろって、くぅっ……!」
 傘の部分を口内にすっぽり納め、形を確かめるようにぬるぬる舐められる。
 ねっとりと暖かい粘膜の温度に、カイジの腰がどうしようもなくうずく。
 他人に触れられること自体がえらく久々なのに、こんな風に扱われてしまっては、興奮するなという方が無理だ。
 口でどれだけ制止の言葉を述べようとも、性器はカイジの意志を裏切ってぐんぐん大きく育っていく。

 男から逃れるのが無理だとようやく理解したカイジは、せめて声が漏れないように手の甲を噛んだ。
「っ、く……ん、ふぅっ……」
 押し殺された喘ぎに気づいた男は、ちゅぽん、と口からカイジのモノを抜き、目線を上げた。
「声、我慢しなくていいのに」
 意地悪そうな笑みを浮かべると、男は一気に根本まで口内に迎え入れた。
「! んーーっ!」
 いきなりの強い刺激に、カイジは目を見開く。
 男はそのまま根本から先端までを大きく出し入れし始めた。
 にゅちっ……にゅちっ……と粘着質な音をたてながら、男の薄い唇を赤黒い大きな男根が出入りする。
 男の唾液にテラテラと濡れ光る自分のモノが見ていられなくて、カイジはぎゅっと目を瞑る。
 しかし視界を遮れば、性感は余計に高まってしまう。
 男の動きはどんどん大胆さを増していて、尖らせた舌で裏筋をなぞったり、先走りが溢れ出る敏感な鈴口に舌先を差し込んだり、亀頭と幹の境目の部分に唇をひっかけて執拗に責めたりと、やりたい放題やっている。

「ん、んんっ……ふあっ! あ、ソコ、さわるなっ……!」
 カイジは思わず口を覆う手を離して、制止の言葉を叫んだ。
 男が少しも苦しそうな顔を見せずに、狭い喉の奥でカイジの怒張を絞りながら、手を伸ばしてカチカチに硬くなった玉袋を柔らかく揉みしだき始めたからだ。
 しかし男の手が止まるはずもなく、それどころか更にいやらしさを増してカイジを責め立てる。
 精液を口で吸い出し、手で押し出すような動きにカイジの体はもはや限界だった。
「は、離せっ! も、イく……、出ちまうっ、からぁっ……!」
 射精したいのを必死にこらえながら、カイジは切迫した声で男に訴える。
 その言葉を聞いた瞬間、男はカイジのモノを強く吸い上げた。
「ひっ! ぅあ、駄目……ダメだ、もうーーっ、あぁぁっ!」
 悲鳴じみた声を上げて、カイジは男の口内に精をぶちまけた。
 慌てて男の髪を掴んで離れさせようとするが、男は動かず、カイジのモノを咥えたまま、びゅくびゅくと精液を噴き上げる鈴口の周りをチロチロと嘗める。
「ぁふ……、も、やめ……っ、くぅっ……!」
 イっている最中に弄られると、痛みと紙一重の強すぎる快感が容赦なく襲ってくる。
 カイジは男の髪をぎゅっと掴み、自失しそうになるのを耐えた。



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