色魔・4(※18禁)


 長い射精が終わると、尿道口に残った精液をちゅる、と吸い上げ、男はようやくカイジ自身を口から抜いた。
 そして、精液でべたべたに汚れた唇を舐めながら、カイジの顔を見上げる。
 カイジもまた、荒れた呼吸をしながら男を見下ろしていた。

 その頬は真っ赤に熟れ、黒い瞳はあまりの性感に潤み、眉は困惑に潜められ、唇は泣くのを我慢している時のように強く噛み締められている。

 艶めいた表情に目を細め、男はそのままカイジの腰を掴んで体を反転させる。
 そして、剥き出しの尻を自分の方に引き寄せた。
「あ、あぁ……嫌、だっ……、」
 カイジは涙声を上げたが、開放感でふにゃふにゃなカイジの体は、さしたる抵抗もできずに男のなすがままになっている。
 体を支えるために手をついた飲み屋の扉が、ガシャリと音をたてた。

 これからなにをされるのか、おおよそわかっているのだろう。
 不安げに眉を下げて振り返るカイジの顔を見ながら、男はいきなり目の前の双丘を鷲掴みにすると、左右に割り広げる。
「ひっ!? い、嫌だっ……んぁっ!」
 そして現れた後孔に、舌先をぐりぐりとねじ込む。
「嘘……だろっ……!? な、なぁ……ひぐっ!」
 信じられないところを男の舌が這う感覚に、カイジは愕然とする。
 固く閉じた孔を解しながら、男はさっき口で受けたカイジの精液を舌に乗せ、カイジの中へと少しずつ送る。
 時折、孔の周りにもその液体をまぶし、濡れないソコを潤していく。
「ふ、ぅっ……、うぅ……ぁ、」
 他人には触らせたことのないソコを、会って間もない男に嘗め回されている。
 その事実に対しては動揺と嫌悪感しかないカイジだが、理性とはべつの部分が、未知の感覚を拾い始めていることもまた事実だった。
 くすぐったいようなもどかしいような、なんとも形容しがたいその感覚は、男の舌がカイジの尻を嘗める度にどんどん増幅していく。

「あっ……はぁっ……」
 ほどなくして、カイジの口から漏れる声が熱を帯び始める。
 その頃には尻孔もかなり解れ、男の舌の進入を容易く許すようになっていた。
 男は舌を抜き取ると、口にまだ残っているカイジの精液を、まぶしつけるようにして自身の右手の人差し指に舌を絡める。
 そして、十分に濡れたそれを、カイジの後孔にずぶりと突き立てた。
「っあぁっ!? 痛、っ……!」
 舌とは違う固いものがいきなり押し入ってくる痛みに、カイジは目を白黒させた。
「い、痛いっ……! やめ、もう……ぅああっ」
 苦痛を訴えるカイジの声には構わず、男は指をゆっくりと抜き挿しし始める。
 一方で、唇の内側の柔らかく濡れた部分をカイジの臀部に押し当て、慰めるような柔らかさで吸い上げる。
 同時に、空いている左手で、双丘のもう半分をやわやわと揉みしだいた。
「ひっ……!」
 啄むように、音をたてて何度も何度も吸い上げられると、尻孔を嘗められている時に感じていた、くすぐったいようなもどかしいような感覚が蘇ってくる。
 カイジは無意識に太股を擦り合わせる。
 その間にあるカイジ自身が、解放したばかりだというのにまた芯を持ち始めていることに、本人は気がついていない。

 双丘への愛撫にカイジが気を取られている間に、男の指は巧みにカイジの奥へと侵入し、いつの間にか人差し指の第二関節まで入って内壁を撫でていた。
 男はいったん指を抜き取ると、左手はカイジの尻を揉み続けながら、今度は中指に唾液を絡める。
 そして、濡れた二本の指を揃え、一気に奥まで突っこんだ。
「あっ! んくぅっ……!」
 さっき人差し指を挿入した時とは、明らかにカイジの口から上がる声の質が変わっていた。
 男は二本の指を抜き挿しするスピードを速めたり、急に指の付け根まで突っ込んでバラバラに動かしたり、さっきよりも大胆に動かしながらカイジの中を探る。
 そして、その指があるポイントに触れた瞬間、カイジの反応が如実に変化した。
「ふあぁっ!」
 ガクガクと大きく体を震わせ、明らかに今までより高い声で鳴いたカイジは、自分自身の反応に驚いたような顔をしている。
 そんなカイジに笑い、男は指で執拗にソコを責め始めた。
「あっ、な、なん……っ!? なんだ、よ、コレっ……! あっ、あっ、あっ!」
 男の指が蠢くたび、今まで感じたことのない、腰が溶けるような甘さがカイジの脳を揺さぶり、痺れさせる。
 カイジが感じ出すと、始めはかたくなに閉じて異物を拒んでいたはずの後孔も、逆に男の指を奥へ奥へと誘うように収縮し始める。
 男もそれに逆らわず、ろくに濡らしもしないまま薬指を足し挿れて、三本揃えた指で熱い粘膜を蹂躙する。
「ふっ、あ、はぁっ……ぅん、あ、くっ」
 カイジはもう、我を忘れて快感を追い、周囲も気にせず甘い声を上げる。
 後孔からはぐちゅ、ぐちゅ、と水っぽい音が鳴り続け、カイジはうつろな目許を朱に染め上げながら、男の指にあわせて貪欲に腰を揺らめかせていた。



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