会話がしたい(※18禁)・2
「まっ、待てって……!! おいっ、アカ……、」
往生際悪くジタバタと暴れ出したカイジの体を無理やりベッドに押さえつけ、アカギはその上にのしかかる。
「名前は……?」
「いっ!」
尋ねながらTシャツを捲り上げ、現れたちいさな胸の尖りに歯を立てると、カイジの顔が痛そうに歪んだ。
アカギの短い髪が、無骨な指で無遠慮に掴まれ、怒りに任せて思い切り引っ張られる。
早くも涙の滲む大きな瞳が、アカギを睨みつけてくる。
気を抜いたらすぐにでも飛びかかってきそうなその目を上目遣いに見返しながら、アカギが顎に力を込めると、乳首を喰い千切られそうな痛みにギリギリと歯噛みしながら、カイジは低い声で答える。
「伊藤、開司……」
「カイジさん。……歳はいくつ?」
「あっ、あぁぅ……っ」
素直な返事を褒めるように敏感な乳首を舐めあげられ、カイジはぶるりと体を震わせる。
「な、なんの真似だよ、コレっ……?」
「会話がしたかったんだろ。オレと」
「そ、そうだけどっ……!! だけどっ、こんなっ……!!」
自分がしたかったのは、こんな茶番めいた一方的な質疑応答のようなものではないし、まして体を暴かれながらだなんて正気の沙汰じゃないと、カイジは強くかぶりを振る。
「いいから、答えなよ」
「んっ、あぅ……っ」
低い声で囁いて、アカギが乳暈を吸い上げると、カイジはちいさな声で喘いで身をよじらせた。
「に、二十一……」
「ふーん。オレより歳上なんだ……」
「だ、だからなんなんだよっ……!!」
とっくの昔に知られているはずの情報を聞き出され、本当にアカギがなにをしたいのかわからなくて、カイジは困惑に眉を下げる。
ねっとりと舌で押しつぶすようにしてカイジの乳首を愛撫していたアカギは、顔を上げてカイジに近づくと、唇が触れ合いそうな至近距離で囁いた。
「オレも、あんたと会話がしたい。あんたのこと、もっとよく教えてよ。隅々まで、余さずに……」
唇を人さし指でゆっくりとなぞられ、カイジの喉がゴクリと上下する。
(だ……ダメに決まってんだろそんなことっ……!!)
アカギの台詞で、自分がとんでもない羞恥プレイに巻き込まれようとしていることを察し、身の危険を知らせる警告音がカイジの頭の中で鳴り響く。
しかし、久々に恋人の手で触れられた体はさっそく熱を持ち始めていて、その熱さにカイジの理性は早くもドロドロに溶かされてしまいつつあった。
早くこの色情狂を止めなくてはと、心では思うのに、体はまったく言うことを聞いてくれない。
めくるめく快感と、死にたくなるような羞恥。
ふたつの予感に息を荒げながら、ひたすらぐるぐるしているカイジに、アカギはスッと目を細め、カイジの唇をやわらかく啄むのだった。
「趣味は?」
「……っ、う……」
硬くなった男根をちゅくちゅくと扱かれながら問われ、カイジは快感に身悶えながら口を開く。
「競馬、と、パチンコ……、ぎ、ギャンブル……っ」
「へぇ……そうなんだ」
淡々と相槌をうち、アカギは体をずらしてカイジの股間に顔を埋める。
「ば、バカっ……!」
「カイジさん。どんな仕事してるの……?」
「ッあぁ……!!」
裏筋をベロリと舐め上げる舌の感触に、カイジはびくんと体を引きつらせた。
(こ、こんなのっ……、絶対イかれてる……っ!!)
淫らな行為をすこしずつ進めながら、『会話をする』ということを口実に繰り出されるアカギの質問に、喘ぎながら答えさせられるという変態的プレイ。
しかし、カイジはひどく戸惑いながらも、答えずにはいられない。
「こ、コンビニバイト……っ、あ! あっ、んうっ……!」
ちゃんと答えると、まるでご褒美みたいに与えられる快感がクセになり、あたかも条件反射のように、答えを口にしてしまうのだ。
「あっ、んっ……あ、アカギ……そ、そんなに吸って……ああぅっ……!」
うねるような喉奥の肉に鈴口を刺激され、じゅるじゅると音をたてながら強く竿を吸い上げられて、カイジは悩ましげに下肢をくねらせる。
足の指でシーツを掻きながら、『もっと』とアカギに腰を押し付けるのを、止められはしなかった。
「く、うぅっ、あ……イきそ……」
射精欲がぐんぐんこみ上げてきて、切羽詰まった声でカイジが限界を訴えたところで、アカギはカイジ自身から口を離す。
「え……っ?」
思わず不満げな声を上げてしまったカイジは、ガチガチに勃起して先走りまみれになっている自分の陰茎越しにアカギと目が合うと、慌てて顔を背けた。
熱でもあるかのように赤らんだ頬を見て、アカギは唇を撓める。
「……好きなものは?」
訊きながら指にたっぷりと唾液を絡め、アカギはカイジの足を開かせる。
「ちょっ……!!」
カイジは焦った声を上げたが、濡れた指で後ろの窄まりをつつかれて息を飲んだ。
アカギに抱かれるようになってから、普通のマスターベーションでは満足できず、自慰のときにも尻穴を弄るようになってしまった。
しかし、アカギにしてもらったことを思い出しながらのオナニーでは、ある程度の快感は得られるものの、やはりアカギ本人の手によって与えられる気持ちよさには遠く及ばず、絶頂まで至らなかったことさえある。
ーー火照った体で自身を慰めていた夜、求めてやまなかった長い指が、今、自分の中に入ってこようとしている。
カイジは頭が真っ白になり、一瞬なにも考えられなくなった。
ただ、この指にぐちゃぐちゃに嬲られたい。
「ほら……カイジさん。あんたの好きなもの、答えて」
淫靡な欲望に取り憑かれたカイジは、こくりと唾を飲み込むと、震える唇を開いた。
「……び、ビール……っ」
消え入りそうな声で答えた瞬間、ぬるりと長い指が入ってくる。
「あっ! はぁっ、あぁぅ……っ」
カイジは大きく仰け反りながら、待ち望んだアカギの指を受け入れた。
ずっと欲しくてたまらなかった快感を前に、羞恥心などは風前の灯火と化した。
アカギは奥まで突き込んだ指をすぐには動かさず、カイジの痴態を視姦しながら乾いた唇を舐める。
「ふーん……他には?」
わずかに指を引き抜きながらアカギが問うと、アカギの指を逃すまいとするかのように、カイジの後孔がキュッと締まった。
「や……、焼き鳥もっ……、」
間髪入れずに答えを寄越すカイジに、アカギは低く喉を鳴らし、ゆっくりと指を出し挿れし始める。
「あッ、はぁっ……、んっ、あか、ぎぃ……っ」
いやらしい穴をずぷずぷと蹂躙しながら、アカギは悪魔めいた顔つきで笑う。
「クク……、カイジさん。あんた……ひとりでココ、弄ってたんだろ……」
トロトロにとろけた表情で快感を貪っていたカイジの体が、ヒクリとひきつる。
アナニーしていたことを見透かされたのはさすがに恥ずかしかったのか、茹で上がったように顔を赤くして口を噤んでしまったカイジの太ももに、アカギは唇を寄せた。
「ほら、答えて……」
内股を舌でなぞりながら前立腺に指を突き立てると、カイジは悲鳴のような声を上げて幾度も頷いた。
「ぁ、ぁんっ、い、いじってた……っ、ひとりで……ッ」
快感のあまり唇の端から涎を垂らし、はしたなく勃起した陰茎の先端からもだらだらとカウパーを垂れ流すカイジ。
アカギはカイジの内股に吸いついて花びらのような痕をいくつも散らし、ずるりと指を引き抜いた。
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