誘う(※18禁)・4


「カイジさん、後ろからされるの好きだよね」
 獣の体勢でベッドの上に這ったカイジの後ろに陣取り、その背を見下ろしながらアカギが言うと、カイジはすぐさま振り返り、非難がましい視線を送ってくる。
「好きなの、お前の方だろ、っ……!!」
 赤く染まった頬を眺めながら、アカギは肩を揺らして笑う。
「そうだね。否定はしない」
「っ、あ!」
 尻を鷲掴みにされ、後孔に怒張を押し当てられてカイジは大きく目を見開く。
「はぁ……ッ、アカギ……っ」
 焦らすようにぬるぬると亀頭を擦り付けられ、カイジはぶるりと体を震わせる。
 よく解れた後孔は、アカギのモノが欲しくてたまらないという風に、ヒクヒクと蠢いていた。
 その収縮する場所に、アカギが先走りで濡れた先端を押し当てると、くちゅ……と密やかな音が鳴る。
「……ねぇ。なんでオレが、後ろからするのが好きか、カイジさんわかる?」
「っ、知るかよっ……!!」
 よほど体の熱を持て余しているのだろう。
 切羽詰まったカイジの口調にアカギは笑い、ゆっくりと腰を進めていく。
「ぅあっ……! あっ、んあぁっ……!」
 ずぷずぷと亀頭が挿入され、待ち侘びた刺激にカイジは高く鳴き声を上げる。
 ゼリーの滑りのお陰で、アカギは根本まで一気にカイジの中へ入ることができた。
「狭い……」
 性器に纏わりついてくる粘膜の感触に、アカギは熱い息をつく。

 ピストンを始めると、カイジはシーツに爪を立てて喘いだ。
「あっ……あっ、んっ、あっ、あぁっ……!」
「こうやって、後ろから突いてると……」
 独白のような言葉は、カイジの嬌声で掻き消されてしまうが、アカギは構わず突きながら話を続ける。
「あんたのこと、滅茶苦茶に乱暴してるみたいで、ゾクゾクする」
「ぁ、ん、くうっ! あ、あーー!」
 前立腺を竿が掠めると、カイジの背が弓なりに引き攣る。
 そこばかりを狙って突き上げると、やがて、カイジの上半身からくったりと力が抜け、腰だけを高く上げた状態になった。

 乱れた黒髪の張り付く背中の、背骨の窪みに玉のような汗が滲んでいる。
 まっすぐな腰のラインと、肉感的な尻。そこに出入りする硬く反り返った肉棒は、潤滑ゼリーを纏って卑猥に濡れ光っている。
 視覚からも劣情を煽られるような光景に、アカギは目を細める。
「……眺めも、最高だし」
「あっ、んっ……あ、アカ、ギ……っ」
 普段なら憤るような言葉も、今のカイジには届いていないようで、ひっきりなしに甘い声を上げては、淫らな行為に惑溺している。
「アカギ、い、いい……すげ、あぁ、あっ……」
「オレも、気持ちいいよ。カイジさん……」
 恍惚の表情で快感を訴えるカイジに答えてやりながら、アカギは密かに眉を寄せた。

 カイジの中は、一度沈み込んだら二度と戻ってこられないのではないかと思うほど、どろどろで熱く、奥へ奥へと誘い込んでくる。
 そして奥まで男を飲み込むと、今度は離すまいとするように、ぎゅうっときつく締め付けてくるのだ。

 いやらしく蠕動する腸壁に咀嚼され、そう長く持たせられそうにないと判断したアカギは、背筋を這い上がってくる快感に身を任せ、律動を早めて容赦なく媚肉を穿ち始める。
 溶けたゼリーがグチュグチュと水っぽい音をたて、カイジは体を痙攣させつつ、涙声で叫んだ。
「あっ、あ、く、くるっ、なんか、きちまうっ……!」
 カイジが身悶えするように激しく身を捩ると、中でアカギ自身がよりいっそう絞られる。
 軽く息を弾ませながら、アカギはカイジの前に手を伸ばし、ほとんど漏らしたみたいに濡れそぼっている陰茎をきつく握り込んだ。
「あ、だめ、イくっ、い、あっ、イくぅっ……!」
「来るだの行くだの、忙しいな……」
 喉の奥で笑いながらカイジのモノを扱くと、爆発寸前だったソレは、呆気なく白濁を吹き上げた。
「ふぁ、あああっ……!!」
「……ん……」
 ビクビクと背を仰け反らせながらシーツに精液を撒き散らすカイジの中に深く挿入したまま、アカギも射精する。
 イっている最中のカイジの後孔は、まるで精液を飲み干そうとするような貪婪さで蠢き、その中で揉みくちゃにされたアカギは、歯を食いしばって腰の溶け落ちそうな甘さをやり過ごしていた。
 


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