時間がない(※18禁)・3


 カイジ自らこんなこと、今までしたことはない。
 けれども、アカギとこのままなにもせずに離れたくないという思いと、さっきのキスでの昂ぶりが、カイジを普段からは想像もつかないほど大胆な行動へと向かわせたのだった。

 今からやろうとしている行為への期待に心臓をドキドキと高鳴らせながら、カイジはまだ兆していないアカギ自身の根元を軽く握る。
 掌に伝わってくるアカギの体温に息を荒げつつ、カイジは先っぽに軽くキスを落とすと、亀頭を口に含んだ。
 ピクリ、とちいさく驚いたみたいに反応する、つるりとした肉の感触を確かめるように吸い、舐め回していると、ふいに頭を撫でられて、カイジは視線を上げる。
 アカギは目を細め、愉しそうに笑っていた。
「あらら……どういう風の吹き回し?」
「噛まれたくなかったら黙ってろ……」
 浅く咥えたままカイジが言い返すと、アカギはいっそう愉快げに肩を揺らす。

 アカギのモノがある程度芯を持ってくると、口内を唾液で満たして滑りをよくしつつ、カイジは根本まで一気に咥え込んだ。
 猶予は十五分しかないのだから、もたついている余裕はない。
 フェラチオはあまり得手ではないけれど、使えるテクニックを最大限に活かし、カイジはアカギをイかせるつもりだった。
 早くしないと、外で待たせているという車から、誰か様子を見に来るかもしれない……

 見られてしまう。玄関先でこんな破廉恥なことをしているのを。鍵は開いているのだ。
 あるいは車の連中じゃなくても、たとえば大家とか、偶々このタイミングでここへやってきたとして、ドアノブを捻られたら、それで終わり。
 アカギの背後にある、鍵のかかっていない薄いドア一枚だけが、恥ずかしい自分の姿を外界から隔てているのだ。

 いつもなら青ざめてしまうはずのシチュエーションなのに、ゾクゾクと被虐的な快感が背筋を這い上ってきて、カイジはたまらなくなる。
 涎でべちゃべちゃに濡らしたアカギ自身を口と右手で愛撫しながら、カイジは空いている左手をスウェットの中に突っ込み、下穿きの中で窮屈そうに反り返っている陰茎に指を絡め、扱き始める。

 軽く触れただけで、痺れるような快感がカイジを襲った。
 左手の動きに合わせ、自然と腰が揺れてしまう。
 口と手でアカギを責めながら自身を弄っていると、まるでアカギに与えている性感が伝わってくるように錯覚され、カイジは益々のめり込んでいく。

 アカギの前での自慰。これも、常のカイジならばぜったいにしない行動だった。
 もぞもぞと手を動かしながら自分を慰めるカイジを見咎めたアカギは、低く囁くような声でカイジにねだる。
「ね、カイジさん……もっとよく、見たい。見せて……」
 熱に潤んだ目で、カイジはアカギを見上げる。
 視線が合ったアカギは余裕のある笑みを浮かべていたけれど、その息が微かに乱れているのをはっきりと感じ取れた。
 カイジは軽く目を伏せ、アカギのモノを咥えたまま、両手を使って下穿きとスウェットを太股のあたりまで下ろす。
 硬く勃起した自身が冷たい空気に晒され、カイジは目許を微かに染めつつ、行為を再開した。




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