時間がない(※18禁)・4


 裏筋に舌を押しつけるようにしながら頭を動かし、右手はそれに合わせて幹を根本から扱き上げる一方で、いやらしく腰を揺らめかせながら左手で自分のモノをひたすら嬲るように弄くるカイジ。
 その卑猥さに、アカギのモノも硬く勃ち上がり、舌と指でその隆起を感じたカイジの目が蕩けた。
 興奮のあまり、カイジ自身の先端から先走りが露を結んでは幹を流れ、扱く指に絡んでくちゅくちゅと水音をたて始める。
 その音に劣情を刺激されたアカギ自身も、やがて先端から先走りを零し始め、それを舌で感じ取ったカイジもまた、達しそうに興奮する……という風に、ふたりの間で互いの快感は怖いくらいに増幅するばかりだった。

 時間を忘れてこの不埒な行為に惑溺しそうになり、カイジはぎゅっと目を瞑る。
 体感では、すでに十分以上経過しているように思われた。
 口と舌、それに右手の感覚に意識を集中させ、カイジはアカギをイかせることだけを考える。
 スパートをかけるようにピストンしていると、いきなり後頭部をぐっと押さえつけられ、無理やり根本まで咥えさせられた。
「〜〜!!」
 容赦なく喉奥を突かれ、カイジは苦しげに顔を歪ませる。
 唇に硬い陰毛の感触を感じながら、カイジは肩で息をつき、涙目でアカギを睨むように見上げた。
「このまま、ゆっくりやっても良かったけど。あんたのこんな姿、他の奴に見せてやるのは惜しいしね」
 カイジの頭を撫でながら、冗談とも本気ともつかないような口ぶりで、アカギは言った。

 それに答えるようにカイジはきつく目を閉じ、喉の奥を締めてアカギを刺激する。
 慣れないディープスロートに嘔吐きそうになりながらも、必死に頑張るカイジにアカギは笑い、大きく腰を振ってカイジの口で自身を扱く。
 道具のように扱われる感覚に背を粟立たせながら、カイジは左手も休むことなく動かして自身を追い詰めていく。

 上からも下からもいやらしい音が大きく響いて、そこに時折、カイジの悩ましげな呻き声が重なる。
 こみ上げる射精感にカイジ自身が手の中でビクビク震え、もう限界だとカイジが思ったその瞬間、アカギが熱いため息をついた。
「カイジさん、イく……」
 深く咥えさせたカイジの喉奥に、アカギは精液をぶちまけた。
「んん……っ!」
 ドクドクと放出される熱い飛沫の感触に、カイジもまた、ぶるりと腰を震わせて自身の手で達した。

 自失してしまいそうな激しい快楽に飲まれつつ、カイジは右手を動かしてアカギの射精を手助けしてやる。
 服を汚すわけにはいかないので、カイジは喉を鳴らして出されたものを余さず飲み下していく。
 舌に絡む濃く生臭い味に、自身もまだ断続的な吐精の最中にあるにも関わらず、またすぐに勃起してしまいそうだとカイジは思った。

 眉を寄せ、アカギはなにかに耐えるような表情でカイジを見つめている。
 熱を孕んだ視線。赤木しげるのこんな無防備な表情など、滅多に拝めないだろう。
 だから、カイジはこの時のアカギの顔がとても好きだった。赤木しげるを知っているすべての人間に対して、ほんのすこしの優越感を覚える。

 車の中で待たせているという連中だって、この後の代打ちを依頼した奴だって、アカギのこんな顔、きっと見たことないに違いない。
 そう思うと、自分の前からアカギを連れ去ってしまう相手への溜飲が多少下がる気がして、カイジがその顔をじっと眺めているうちに、アカギは射精を終え、カイジの口内から萎えたものをずるりと引き抜いた。

 アカギの放ったものを一滴残らず受け止め、べたべたに濡れた唇の端から一筋、白いものがつうと垂れ、カイジは息を弾ませながら、それを指で掬って舐め取る。
 汚さないようにとカイジが腐心したアカギの着衣には一滴の染みもついていないのに対し、カイジのスウェットは飛び散った自身の精液でぐちゃぐちゃに汚れており、床にまで滴っていた。
 その光景の淫靡さに、アカギは苦笑する。
「ひでえな、あんた。こんなことされたら、離れがたくなっちまうじゃねえか」
 頬を染めたままその台詞を聞いていたカイジの顔に、してやったりとでも言いたげな笑みが浮かんだ。
「なら、次はできるだけ早く会いにこい。……続きを、させてやるから」
 悪戯っぽくカイジが言うと、アカギは可笑しそうに笑う。
「わかったよ。あんたの機嫌損ねると、厄介みたいだってわかったしね」
 そう言って、傷のある頬に唇を寄せてきたので、カイジはようやく、アカギを笑って送り出すことができそうだと思ったのだった。







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