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Q.今は一体、どういう状態なのでしょう?
A.関谷さんが静先生の胸倉を掴んで恐い顔をしています。
今にも殴り掛かりそうです。
「ん?どうしたんだ?」
関谷さんの視線を正面から受けているにも関わらず、余裕の表情で、笑みすら浮かべている静先生。
「テメェ!!」
関谷さんは静先生とは対象的に顔を怒りで染めている。さらに、胸倉を掴む手に力が加わっている。
それでも先生の余裕な態度は揺るがない。
「生徒にセクハラしようとしてンじゃねーよ!」
「はぁ?何勘違いしてやがる?俺は裕次郎の制服をクリーニングに出してやろうとしただけだぜ」
関谷さんの発言をニヤニヤ笑いながら訂正する静先生。
先生はクリーニングに出してくれようとしてたのか。僕はようやく合点がいった。顔はヤクザだけど、いい人だ。
二人のやり取りはまだ続いている。
(いい加減、泥が気持ち悪いんですが…それに、泥が床に付いたらまずいですよね)
タオルでは拭いきれなかった滴が太腿を伝っていくのが気持ち悪い。
思い立ったら吉日(?)ということで、二人にはお互いしか見えていないということを確認しつつ制服を脱ぎ、ハンガーにかけ、シャワー室に向かった。
「テメェー、黙って聞いてりゃー調子にのりやがって、気安くコイツの名前呼んでンじゃねーよ!」
「名前くらいいいだろ?別にお前のじゃないだろうし」
「コイツは俺のだ」
「アハハハッ!嘘だろ!お前昔から顔重視ってか、顔しか見てないじゃんか」
「………」
「あ、図星?」
「…テメェーなンか昔から平凡専じゃねーか!」
「へぇー、知ってんなら話が早い、裕次郎って俺のストライクゾーンなんだわ。てことで、俺が貰うから」ニヤリ
「だからコイツは俺と付き合ってんだよ!」
「あ?だってお前今罰ゲーム中だろ?」
「何でテメェーがそのことを!?」
「りゅーチャン☆が(笑)」
「千尋か!!」
「そっ!千尋がな。わざわざそれを言うために来たぜ?」
「アイツ、マジ何なんだ…」
「お前もかわいそうだよな。学校1嫌われてるやつと付き合わなけりゃならないんだもんな。同情するわ。
ん?ならお前裕次郎に構ってないで、そいつのところ行けよ。
こいつは俺が面倒みとくから」
「…は?」
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