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僕を担いだ関矢さんが足を運んだのは学校の保健室。

ドアを蹴破り、チンピラよろしくガンを付けながらの侵入に思わずビクついてしまった僕は、関矢さんに睨まれて先程のやり取りを思い出し、我に還った。

(…あの関矢龍治になんて口の利き方を…)

自分の顔が真っ青になったのが鏡で見なくてもわかった。

そして、いろんな場所が震え出すのがわかる。

「ぁ…ご、ごめ!!」

「おい、クソガキども!テメェーら保健室で騒ぐたぁーどういう了見だぁ!!」
僕の謝罪の言葉は途中で凄い大きな怒声に遮られてしまった。

僕は関矢さんに向けていた視線を慌てて声の発信源の方に移した。

な!?なんで保健室にヤクザさんが!!??


中から出てきたのは、関矢さんよりも目つきが悪い上、左目に傷が付いていて片目しか開いていない2メートルくらいありそうな超恐面の白衣の人だった。

「覚悟は出来てんだろーな!」

「ヒイィィ!!!」

遠目からでもわかるその凄まじい眼力に僕の口から思わず漏れた悲鳴を押し殺す術はなかった。

こ、殺される!!



























「また派手にやったなー」
「す、すみません…」


さっきまで、般若のような表情を浮かべていた人は、泥まみれの僕を見るなり、その表情を一転させ、顔の泥をおとすようにタオルを渡してくれた。

恐い顔を緩め、呆れたように僕を見つつも、その表情は優しさを含んでいるのがわかる。

この微妙な変化で雰囲気が凄く変わった。

(…でも恐いです!!(泣)

僕はその恐怖感を振り払うように、もらったタオルで顔を思いきり拭いた。

「お、そういえば自己紹介がまだだったな!俺はこの学校で保健医をやってる者だ。静(せい)先生って呼んでくれ」

ニカッ!と多分笑ったつもりなんだろうけど、今のはどう考えてもニヤリッ!だ。

何て言うか…美形だが悪の親玉みたいな人だ。(失礼)

手を止めて先生の方をみる。
「イマイチおちないな。そこのシャワー使え」

静先生は自分の後ろの入口とは反対のドアを指さした。
「は、はい」

僕は返事を返して、シャワー室に向かうべくして静先生の横を通り過ぎようとした。

「待て」

ビクッ!
しかし、先生の横を通り過ぎようとした寸前、僕の手は先生に掴まれた。

そして僕の目は次の瞬間点になった。


「ここで脱げ」


…………はぃ??


ドゴォォォ!!!!


ぎゃーぁぁ!!
(な、何事ですかぁー!?)

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