私立水晶華学園
ユメとうつつ
「雫!何があったんだ!?どうしてそんなことに!?」
雷が驚いた顔をして駆け寄ってきた。雷が驚くのも無理ない、いつもなら、十センチくらいの差があるのに、今の俺は、目線の位置が雷と余り変わらない。身長差が三、四センチ位しかない。
「…雫の綺麗な髪の毛が…。」
霄も駆け寄ってきたが、こっちは驚くというよりも、軽くショックを受けているようで、仕切に俺の髪に触れてくる。
黒髪に青いメッシュ入りのアシンメトリーだった俺の髪型は茶色く、ワックスで軽くはねさせているし、アシンメトリーではない。
「どうだ、凄くないか!?身長はシークレットブーツで六センチアップだし、髪は茶色のウィッグで一度付けると水分でしか離れない優れもの、極めつけは、肩パット入りブレザー!」
いつもあまりでかい声をださない俺も今回ばかりは興奮の余りつい大声を出してしまった。
今の俺は、雷や霄と並んでも身長も肩幅もあまり差がない。元来、筋肉が付きにくい俺はタッパが余りなく、どうしても、細身に見られがちになってしまう。
ちなみに、俺の理想の体格は筋肉ムキムキのマッチョ。本当に憧れるな。テレビでマッチョが出演する度に、俺の目は、あの惚れ惚れするような上腕二頭筋にくぎづけだ!あの胸筋も欲しい。
しかし、誕生日に欲しいものをみんなに聞かれた俺が真面目に《筋肉》といったところ、全員から、『頼むから止めてくれ!!!』
といわれてしまったのだった。
「髪型変えただけで印象も結構変わるもんだな」
俺が一番驚いたのはそこだった。しかし、体格は二人のまねが出来ても、顔はどうしようもない。ウィッグのおかげでなんぼかマシになったとはいえ、Sクラスには俺は入れないだろうな。
澪がSじゃないなら問題ないが、澪は多分Sだ。家柄と顔は折り紙付きだし、昔から頭もよかったからな。
[before??][after!!]
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